レノボから高性能なARMチップを搭載したChromebook Plusの国内発売が決定しました。
Lenovo Chromebook Plus Gen 14型 MediaTek はMediaTekのハイエンドSoC MediaTek Kompanio Ultra 910 を搭載しており、Chromebookとしては高性能ARMチップ搭載のものは待望です。このSoCについては後に解説しておきます。
日本では7月1日に正式に発売が決定して25日に販売が開始される予定です。
▶多数のECサイトで販売が開始されています
詳細スペック
▼日本向けの型番で判明しているスペックをまとめました
基本情報 |
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機種名 | Lenovo Chromebook Plus Gen 10 14型MediaTek |
メーカー | Lenovo |
型番 | 14M9610 |
発売日 | 2025/07/25 |
OS | Chrome OS |
プロセッサー |
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CPU | MediaTek Kompanio Ultra 910 |
コア | 1x Cortex-X925@3.62GHz 3x Cortex-X4@2.8GHz 4x Cortex-A720@2.1GHz |
GPU | Immortalis-G925 MC11 |
NPU | MediaTek NPU 890 最大50TOPS |
メモリ | |
メモリ構成 | 16GB/256GB(UFS 4.0) |
ストレージ情報 | UFS 増設・交換不可 |
メモリ情報 | LPDDR5X-8533 増設・交換不可 |
外観 |
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ディスプレイ | 14インチ/OLED/光沢/100% DCI-P3 解像度1920×1200/60Hz/400nit 自動調光センサー ガラス保護 |
タッチ/ペン | 10点マルチタッチ ペン非対応 |
重さ | 1.26 kg |
サイズ | 314.2 x 219.1 x 15.79 mm |
カラー | シーシェル |
素材 | 天板:アルミニウム 底面:プラスチック |
ポート |
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右側 | USB-C 3.2 Gen 1 3.5mm イヤホンジャック |
左側 | USB-C 3.2 Gen 1 USB-A 3.2 Gen 1 |
機能 |
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生体認証 | 指紋(オプション) |
Webカメラ | 500MP |
カメラシャッター | あり |
キーボード | 日本語配列/バックライト |
スピーカー | 2W x4 /Dolby Atmos |
ネットワーク | Wi-Fi 7/Bluetooth5.4 |
電源 |
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バッテリー | 60 Wh |
駆動時間 | 公称値17時間 |
アダプター | 45W USB-C |
外観
アルミニウム合金が採用されているため、高級感があって上品な色合いに仕上がっています。IdeaPadなどの一般的なLenovoノートとは少し違う雰囲気がしています。
▼天板にChromebook Plus のロゴが記載されています
しかし全てがアルミニウムというわけではなく、底面にはプラ素材が使用されています。ファンが見当たらないので、ファンレスなのかもしれません。電力消費が小さいARM系チップなため、ファンが付いていたとしてもそれほど負担はないと思われます。
▼底面はちょっと安っぽく感じました
SoCの性能はAnTuTu 250万並みか
MediaTek Kompanio Ultra 910 のCPUやGPU、NPUの構成はほぼMediaTek Dimensity 9400 と同じです。Kompanio は主にAndroidタブレットやChromebookに採用されるラインナップです。
AnTuTu 250万超えのハイエンドスマホをそのままChromebook化したような製品です。
AI機能も
MediaTek NPU 890 はChromebook史上最高とする50TOPSのAI性能を誇っています。
Chromebook Plus Gen 10 は、Google Geminiや消しゴムマジック、文書生成、文書要約、リアルタイム翻訳字幕生成など、Google AIを活かしたPCというコンセプトです。
豪華仕様
ハイエンドなチップセットを採用するだけあって、随所にこだわりが見受けられます。
・ディスプレイ
有機ELの採用していたり、画面比率が16:10であったりとChromebookとしては群を抜く力の入れようです。残念ながらペンは非対応とのことなのでUSIなどは使えないと思われます。
・USBポート
USB-Cのポートが左右にあるため、どの向きからでもUSB-PDで充電できます。一般的にノートパソコンにおいて、このようにUSB-Cが左右両方に配置されるのは高級なモデルだけです。充電だけではなく、映像出力も4K@60Hzで2画面まで拡張可能です。
・スピーカー
2W x4 で内蔵のスピーカーは4つあります。Dolby Atmosにも対応しておりコンテンツ視聴に最適です。
価格
Lenovo直販での販売価格は税込み115,280円です。
すでに一部の家電量販店では販売が開始されており、10%のポイント還元も付属しているため、実質103,752円です。アメリカでは649ドル(日本にはない12GB/128GB構成)から提供されます。
Chromebookとしては高額ですが、Chromebook特有のハードウェア保証を含む10年近くのサポートが付随すると考えれば安いです。
販売は量販店などで行われる予定で、8月31日までに製品購入を行うと3年間のアクシデント・ダメージ・プロテクション(ADP)が付随します。物損保証です。
終わり
また一つ面白いガジェットが登場しました。今までのARM版Chromebookは、Snapdragon 7シリーズや、MediaTekのローエンドSoCが採用されていることが多かったです。やや非力な印象を持っているユーザーの認識を変えてくれそうな、ターニングポイントになりそうな製品です。
ハイエンドARM Chromebookが欲しいと考える人は少なくなかったと思います。一部ではインテルやAMDのCPUよりもGoogle Play Storeとの互換性が良いとされます。
MediaTek は Windows on ARM への参入も表明しており、この高性能Chromebook向けチップセットはそのウォーミングアップなのかもしれません。NPUを活かす術がどれだけあるのかは未知数ですが、AI機能は充実していそうです。
7月25日に販売が開始されるとのことです。
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