10月10日、ソフトバンクからレノボの5G対応タブレット Lenovo TAB8(レノボ・タブエイト)の発売が予告されました。
4つのスピーカーとDolby Atmosによる臨場感溢れる音響体験や、アルミ素材の上質感などがアピールされており、10月17日から販売が開始されます。
今回はこのタブレットのスペックや搭載されているMediaTek MT8755プロセッサーについて探ってみました。
公表された Lenovo TAB8の仕様
Lenovoは新しい製品を販売する前に詳しいスペックなどを公表するのですが、今回発売されるLenovo TAB8はソフトバンクから発売されるOEM製品なためか、その詳細な仕様までは明かされず不明な点が多いです。
ソフトバンクの販売ページにて公開されているLenovo TAB8の仕様は次の通りです。(抜粋)
- ディスプレイ:11インチ、解像度2560×1600
- プロセッサー:MediaTek MT8755
- メモリー:6GB/128GB(最大2TBのmicroSDXCに対応)
- サイズ:255 x 166 x 7 mm
- 重さ:485g
- ネットワーク:Wi-fi5、nanoSIM+eSIM
- バッテリー容量:6820mAh
- カメラ:8MP フラッシュ対応
- インカメ:5MP 顔認証
- 防水防塵:IP53
このタブレットのスペックに目を通すと、8月にLenovoから発売開始されたLenovo Idea Tabと非常によく似ています。

Idea TabとLenovo TAB8の比較
寸法やディスプレイ解像度、重さなど非常によく似た部分が多く、Lenovo TAB8の立ち位置はLenovo Idea Tabの5G対応バージョンとも言うべきですが、それ以外で2つが完全に同じではなく異なる部分も多数あります。
Lenovo Idea Tabの日本販売ではRAM 4GBですが、そもそもグローバル展開においてもRAMは4GBまたは8GBのみで仕様上にRAM 6GBのオプションは存在していません。
また2つのタブレットは背面のデザインが大きく異なり、これはLenovo TAB8にはLenovo Idea Tabにないフラッシュライトが搭載されているためです。(側面のレンダリング画像はほぼ一致しており、背面以外は同じだと思われます。)
Lenovo TAB8(カメラの横にフラッシュライトがある)
Lenovo Idea Tab
その他の点も含めて異なる部分をまとめておきます。
Lenovo Idea Tab | Lenovo TAB8 |
---|---|
フラッシュライト:なし | フラッシュライト:あり |
RAM:4GB | RAM:6GB |
防水防塵:IP52 | 防水防塵:IP53 |
バッテリー:7040mAh | バッテリー:6820mAh |
MediaTek Dimensity 6300 | MediaTek MT8755 |
Lenovo TAB8は公開されていないその他の仕様が多数あることに注意してください。
MT8755の正体はDimensity 6300?
ここまでLenovo TAB8 がLenovo Idea Tabと似ていると、プロセッサーも同等であると考えるのが自然ですが、どうでしょうか。
Lenovo TAB8 に搭載されるMediaTek MT8755プロセッサーの詳しい仕様は公表されておらず、ソフトバンクの公式サイトでは2.4GHzのオクタコアとの記載に留まっており、それ以外のサイトなどでも詳しい情報は今のところ出てきませんでした。
一方で9月に発売されたTCLのタブレットTCL TAB 8 NXTPAPER 5GにもMT8755が搭載されており、このタブレットのGeekbenchでの公開情報からCPU構成は2×2.6GHz+6×2.0GHzだとわかりました。
これはLenovo Idea Tab(Dimenisty 6300搭載)のGeekbench登録情報と一致します。(Dimensity 6300およびMT8755の正式なクロック周波数は最大2.4GHzなため、2.6GHzはベンチマーク側が誤りの可能性があります。)
以上からMediaTek MT8755はMediaTek Dimensity 6300にかなり近いSoCだと思われます。AnTuTu v10総合スコアはだいたい40万点程度と推測できます。
プロセッサー | CPU | GPU |
---|---|---|
MT8755 | 2x 2.4GHz 6x 2.0GHz |
不明 |
Dimensity 6300 MT6835 |
2x Cortex A76@2.4GHz 6x Cortex A55@2.0GHz |
Mali-G57 MC2 |
またWikipediaにDimensity 6100+(MT6835)はMT8755V/TZBという型番も表記されていますが、同じMT6835となるDimensity 6300も同様にMT8755という型番の仕様が存在すると思われます。またKopanioシリーズなどにMT8xxxが振り当てされていることから、この型番はタブレット向けSoCであることを意味していそうです。
終わり
結論としてはLenovo TAB8に搭載されるMediaTek MT8755はMediaTek Dimensity 6300にかなり近いSoCだとわかりました。
Lenovo TAB8 は高解像度な2560×1600のディスプレイを搭載して、メモリ6GBなので性能はそこそこな上、5G通信に対応した貴重なタブレットです。
ソフトバンクオンラインでは47,520円ですが、新トクするサポート+で48回払いで購入して2年後に返却すれば端末代金の支払総額が23,760円(月額990円)で済みます。
5Gタブレットが使いたいという人には、お手頃な選択肢の一つだと思います。

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