海外からの情報です。先日Geekbench Browserの情報からRyzen AI 5 330 の存在が明らかとなりました。
これまでに確認されていない新たなチップセットとなります。
CPUの詳細
Geekbench ではAcerのマシンで測定されており、スコアはシングルが1949、マルチが7047点となっています。(*シングルスコアは2300以上出ている結果もあります)
▼引用元より
CPUは4コアで、1+3のハイブリッド構成です。コードネームはKrackan Point2 となっており、Zen5とZen5cのハイブリッド構成だと伺えます。
▼CPUのキャッシュメモリの合計は次のようになっています。
- L1:320KB
- L2:4MB
- L3:8MB
また引用元の海外サイトでは、GPUのRadeon 820MはRDNA3.5の2CUとなっています。
Ryzen AI 5の名前は冠してはいるものの、内容はRyzen AI 3というべきです。型番が1つ違うだけのRyzen AI 5 340とはCPUやGPUのコア数からして大きく違います。
プロセッサー | クロック数 | CPU構成 | GPU | NPU |
---|---|---|---|---|
Ryzen AI 5 330 | 3.7-2.0GHz | 1+3コア | Radeon 820M@2コア | 不明 |
Ryzen AI 5 340 | 4.8-2.0GHz | 3+3コア | Radeon 840M@4コア | 50TOPS |
NPUについてはRyzen AIの名前が付いているため、Ryzen AI 5 340などと同じく50TOPS程度のRyzen AI NPUを搭載していると思われます。
この製品の意図
この製品のポジションは、低価格帯に向けたAI PC対応プロセッサーだと思われます。現在Copilot+PCに対応するAMDのチップセットとしては、Ryzen AI 5 340が下限ですが、安くとも10~15万円程度の範囲です。
Intelからはまだ低価格帯のAI対応チップセットが登場しておらず、価格帯が20万前後からとなっているため、AMD的には差をつける意図で販売するのだと思います。
Zen4からZen5への刷新を兼ねて、このチップセットが広く普及しそうです。ただしGeekbenchのスコア的にはZen3と大差ないか、それ以下のパフォーマンスとなってしまうと思います。NPUに対応させるという一点でのみ利点があると言えます。
ちなみに、Qualcommは一足先により安価なAI対応のチップセットとして Snapdragon X X1-26-100を発売しています。こちらはSnapdragon X Plusの明確に下だとわかる命名をしており、区別をつけています。
終わり
Windows 12の推奨要件とされていた40TOPSのNPUを持つチップセット、というハードルがまた下がりそうです。やはり安価なラインナップが増えないことには始まりません。
実質的にはAIに対応した低価格なRyzen 7x20U(メンドシーノ)の後継なのかなと思います。安価なPCでもRyzen AI対応となる日が近そうです。
今後はIntel、AMD、Qualcommからこのような廉価AI対応チップセットがさらに登場すると思われます。
*補足
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