
AQUOS sense10が発売されてちょうど一週間が立ちました。
今回はしばらく使った使用感、バッテリーチェック、そして今人気のarrows AlphaとPixel 9aとの動作比較、カメラ撮影を綴ります。
- 使用するデバイス
AQUOS sense10 SH-M33(8GB+256GB)
Google Pixel 9a(128GB)
FCNT arrows Alpha M08
機種の比較
| Pixel 9a | AQUOS sense10 | arrows Alpha |
|---|---|---|
| 性能情報 | ||
| Google Tensor G4 | Snapdragon 7s Gen 3 | Dimensity 8350 Extreme |
| 8GB/128GB 8GB/256GB |
6GB/128GB 8GB/256GB |
12GB/512GB |
| – | microSDカード対応 | microSDカード対応 |
| サイズ情報 | ||
| 6.3インチ | 6.1インチ | 6.4インチ |
| 2424 x 1080 30Hz/60Hz/120Hz |
2340 x 1080 1~240Hz |
2670 x 1200 1~120Hz |
| 184.4g | 165.4g | 187.8g |
AQUOS sense10は最も軽く、コンパクトで持ちやすいです。
普通のスマホではバッテリー交換のために背面をバックパネル方式にしますが、AQUOS sense10は側面と背面が一体となったアルミユニボディを採用した珍しいスマホです。
AQUOS sense10は、この中では最も高級感があってデザイン性が抜群です。
AQUOS sense10 OSサポート期間
| OSサポート | ||
|---|---|---|
| Pixel 9a 2032年まで |
AQUOS sense10 Android 19、2030年まで |
arrows Alpha Android 18、2030年まで |
AQUOS sense10のOSアップデート期間は3回のバージョンアップ、5年のセキュリティパッチ定期更新となっています。最新のAndroid 16で発売されたため、Android19までアップグレードが保証されていますので、実質4回のOSバージョンアップサポートと言っても良いでしょう。
アップデート期間満期まで利用するのであれば、よりメモリやストレージに余裕がある8GB+256GBを強く推奨します
楽天モバイルを除くキャリアでは6GB+128GBのみの取り扱いですが、返却プログラムを利用すれば買い替えサイクルを1~2年にできるため、将来性はあまり考える必要はありません。

値段差はわずかに
AQUOS sense10は11月に発売されたばかりですが、販売開始と同時に5,000円のキャッシュバックキャンペーンを実施しているので、実売価格は6万円台前半からです。
一方でarrows Alphaは11月21日から楽天モバイルが取り扱いを開始しており、通常販売価格69,900円から、初めてのお申し込みと乗り換えで26,000ポイント還元、2回目以降でも16,000ポイントが付与されます。(発売時点の情報)

またGoogle Pixel 9aもGoogleストアでのブラックフライデーセールで65,800円で購入できるなど、この3機種は値段的に肉薄しています。
性能の実測値!
| 性能情報 | ||
|---|---|---|
| Pixel 9a | AQUOS sense10 | arrows Alpha |
| Google Tensor G4 | Snapdragon 7s Gen 3 |
Dimensity 8350 Extreme |
| Samsung 4nm | TSMC 4nm | TSMC 4nm |
| 1x Cortex-X4@3.1GHz 3x Cortex-A715@2.6GHz 4x Cortex-A520@2.0GHz |
1x Cortex-A720@2.5GHz 3x Cortex-A720@2.4GHz 4x Cortex-A520@1.8GHz |
1x Cortex-A715@3.4GHz 3x Cortex-A715@3.2GHz 4x Cortex-A510@2.2GHz |
| Mali-G715 MP7 | Adreno 810 | Mali-G615 MC6 |
| 8GB/128GB LPDDR5x+UFS 3.1 |
8GB/256GB LPDDR4X+UFS2.2 |
12GB/512GB LPDDR5X+UFS4.0 |
AnTuTuで発熱とパフォーマンスチェック
AnTuTu総合ベンチマークで簡単に性能をチェック。
最新バージョンのv11.0.6で比較しています。
AQUOS sense10は105万点で他2つよりも大きく引き離されていますが、CPUスコアに注目すると42万点でそこまで低くはなく、GPUなどが足を引っ張っていることがわかります。
GPUではPixel 9aとsense10はレイトレーシングに非対応なので、そこのスコアが低下しています。
実行途中における本体温度は左から順にPixel 9a(30.1度)、AQUOS sense10(27.6度)、arrows Alpha(34.9度)となりました。
AQUOS sense10は他よりGPU性能が弱いものの、本体温度が低くて安定しています。それほど負荷のかからない作業では有利です。
ブラウザ速度
ベンチマークではなく、実際にブラウザを開く速度を測ってみます。
タップしてページを開くところからです。
ページの表示自体はPixel 9aやarrows Alphaとほぼ同じですが、その後のレイアウト読み込みで時間がかかっており、AQUOS sense10の性能は低くはないものの、より処理が早いスマホに比べると動作の遅さが可視化されます。
アプリのインストール速度
アプリのインストール作業がどれだけ速いかを検証します。
AnTuTu 3D(1.19GB)のAPKファイルをインストール検証として利用します。
| 機種 | 規格 | 所要時間 |
|---|---|---|
| AQUOS sense10 | UFS 2.2 | 8.71 秒 |
| arrows Alpha | UFS 4.0 | 4.74 秒 |
| Pixel 9a(128GB) | UFS 3.1 | 13.44 秒 |
高速なストレージを搭載するarrows Alphaには叶いませんが、Pixel 9aよりかは良いスコアでした。(Pixelはインストールに少し時間がかかる仕様みたいなので仕方ないです。)
プレイストアでのアプリ更新ではギリギリ許容範囲な速度です。
性能ではライバルより後退
性能比較ではメモリやストレージという観点も含めて、arrows Alphaが総合的には最も高いですが、CPUではPixel 9aのほうが上で、AQUOS sense10はこれらにちょっと追いつかない性能です。
AQUOS sense10 バッテリー検証
AQUOS sense10は5,000mAhと大容量で、おまけにダイレクト給電対応なのでバッテリーに関する不満は一度もなかったです。
一応比較を出しておきます。
| バッテリー | ||
|---|---|---|
| Pixel 9a:5,100mAh 23W急速充電 PD 3.0 |
sense10:5,000mAh 36W急速充電 PPS |
arrows:5,000mAh 90W急速充電 PPS |
動画再生時間をチェック
1080p@30fpsのアニメを横画面で連続再生して、バッテリー残量10%分に相当する500mAhが減るまでににかかった時間を計測しました。
- 結果は140分でした。(実測4490→4482mAh)
推定で23時間20分連続で動画再生できます。
画面サイズが小さいのでセオリーでは省エネなはずですが、あまりよくないスコアです。Pixel 9aには大きく差をつけられてしまいました。
120Hz運用では?
リフレッシュレート120Hzで使用することでどれだけバッテリーが低下するのか調べます。
Webブラウジング、画像編集、などを想定したバッテリーベンチマーク「PCMark Work 3.0 battery test」を使用して、60Hzで実行した結果は18時間58分、120Hzモードで実行した結果は15時間19分でした。
(ベンチマークの提供:https://benchmarks.ul.com/)
| 比較 | PCMark battery life |
|---|---|
| AQUOS sense10 (60Hz/可変120Hz) |
|
| arrows Alpha (可変60Hz/可変120Hz) |
|
| Google Pixel 9a (60Hz/可変120Hz) |
|
当サイトの計測では「画面輝度200nit」「機内モード」「ミュート」としています。
PCMark Work 3.0のスコアは前回よりもパワーアップしていました。普通に良いスコアですね。
| 最新機種で比較 | PWork 3.0 performance |
|---|---|
| OPPO Reno13 A | |
| AQUOS sense10(前回) | |
| motorola edge 60 pro | |
| motorola edge 50s pro | |
| AQUOS sense10(再測) | |
| Pixel 10 | |
| Pixel 9a | |
| arrows Alpha | |
| Galaxy S25 | |
| POCO F7 Ultra |
充電速度を検証!
AQUOS sense10は最大36WのUSB-PD PPSに対応しています。
充電器・ケーブルは付属しませんが、市販のUSB-PD PPS対応の汎用充電器で代用可能です。
赤ゲージになる20%から充電を開始して、100%までの充電完了所要時間は74分でしたが、開始40分で90%まで充電できており、それ以後は30分かけて100%まで充電する労り充電が働くようです。
| 項目 | 開始 | 10分 | 20分 | 30分 | 40分 | 50分 | 60分 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 平均W数 | – | 26W | 25W | 26W | 19W | 10W | 5W |
| 充電残量 | 20% | 41% | 59% | 76% | 89% | 96% | 99% |
| 内部温度 | 21℃ | 33℃ | 37℃ | 39℃ | 35℃ | 31℃ | 27℃ |
充電ワット数は最初の2分だけ約32W(10V3A)が出力できていましたが、それ以後は25W(10V2.5A)程度まで低下していたので、充電器はPPS対応であれば25W程度で十分だとわかりました。
ダイレクト給電で温度低下する?
バッテリー保護機能の一つとして、充電器に接続している間はバッテリーを介さず直接電気を供給して駆動するという、ノートパソコンなどと同じ機能が搭載されていて、これを使うことでバッテリーを消耗させず端末を利用できます。
充電器が使える環境では常に繋いでおくことを推奨します。
この機能の利用中はバッテリーの発熱を抑え、理論上は本体温度が低下するはずですが、実際にどれだけ温度が下がるのか確かめて見ます。
3DMark Wild Life Extreme Stress Test(4K画質の3Dゲームを実行する高負荷なベンチマーク)にて、実際にダイレクト給電をしながら実行した結果と、バッテリー駆動で実行した結果を比較します。
- バッテリー駆動
最大34.2℃、平均30.3℃
- ダイレクト給電
最大32.6℃、平均29.1℃
| 3DMark Wild Extreme Stress Test 実行結果 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 駆動方式 | 最高 | 最低 | 維持率 | バッテリー温度 |
| バッテリー駆動 | 1073 | 1068 | 99.5% | 23→35 |
| ダイレクト給電 | 1071 | 1067 | 99.6% | 23→35 |
バッテリー駆動でも冬場のためか高々34℃で、少し温い感覚なので不快感はありません。
ダイレクト給電により表面温度は実際に低下していることを確認できましたが、内部的なパフォーマンス評価ではほぼ一緒ですので、バッテリー温度低下は気休め程度でした。
AQUOS sense10のディスプレイをチェック
Pro IGZO OLED
AQUOSだけあってディスプレイは非常に綺麗だと思いました。
Pixel 9aと並べるとこんな感じ。
Pixelのほうが画面輝度がかなり上で明るいのですが、AQUOSは画面の色が寒色系で綺麗です。
| 機種 | 画面輝度(当サイトの実測) | |
|---|---|---|
| AQUOS sense10 | 手動 | |
| 自動 | ||
| arrows Alpha | 手動 | |
| 自動 | ||
| Google Pixel 9a | 手動 | |
| 自動 |
白画面75%で測定しています。
リフレッシュレートの選択
「なめらかハイスピード表示」という設定項目から、アプリごとにリフレッシュレートを60Hz上限か120Hz上限かを定めるという、珍しい方式です。
よくあるボタン一つでリフレッシュレートを一度に切り替える機能がないので、設定が少々めんどくさいですが、可変リフレッシュレートにより静止中は60Hzまで低下するので全てのアプリをオンにしても問題ありません。
●タッチサンプリングレートは、当サイトの計測で通常時120Hzでした。ゲームモードでの計測はできませんでした。
60Hz未満にはならない…かもしれない
利用してみて、少し気になったのがリフレッシュレート問題。
スペック上には可変駆動1Hz~240HzのPro IGZO OLEDを搭載しているとなっていますが、実際に確認してみるとソフトウェア側で認識されているディスプレイは、60Hzまたは120Hzとなっていました。
ソフトウェアが認識していないだけでハードウェアが60Hz未満に対応しているということも考えられますが、上記の動画再生時間ではイマイチ奮わない結果となったことから、アニメのフレームレート30fpsに合わせて30Hzまで低下させているかは疑問な結果となりました。
スペック表記通り1~240Hzの可変に対応していたとしても、バッテリー持ち向上には貢献していないという結論です。(ダイレクト給電があるので、自宅で動画を見る状況では何ら問題はありません)
AQUOS sense10 カメラをチェック
カメラはいずれの機種も広角と超広角の2眼構成です。
| 性能情報 | ||
|---|---|---|
| Pixel 9a | AQUOS sense10 | arrows Alpha |
| 広角+超広角 | 広角+超広角 | 広角+超広角 |
| 広角:4800万画素 センサーサイズ1/2.0・F1.7 26mm マクロ撮影 |
広角:5030万画素 センサーサイズ1/1.55・F1.9 23mm |
広角:5030万画素 センサーサイズ1/1.56・F1.88 23mm |
| 超広角:1300万画素 センサーサイズ1/3.1・F2.2 画角120° |
超広角:5030万素 センサーサイズ1/2.5・F2.2 画角122° オートマクロ |
超広角:4990万画素 センサーサイズ1/2.70・F2.0 画角120° マクロ撮影 |
シャッター音オフに(SIMフリー版SH-M33限定)
カメラアプリの設定から普通にシャッター音をオフにできます。SIMカードを利用していても大丈夫みたいです。
レストランで料理を撮影する時など、音が鳴るのは嫌…という場面に嬉しいです。(シャター画面でのスクショは盗撮防止の名残なのか大きな音が鳴るので注意)
ちなみに楽天モバイル販売モデルについても、シャッター音をオフにできることを確認しています。
実際の撮影比較
写真撮影を比較していきます。
食事
とんかつや味噌汁は三者三様ですが美味しそうです。
AQUOS sense10とarrows Alphaでは、白ご飯に物質感があり食べ物とかけ離れた印象を受けます。Pixel 9aはふっくら温かみがあり美味しそうです。
とんかつの補正では、AQUOS sense10は自然体、arrows Alphaは補正強め、Pixel 9aは少し落ち着いた色となっています。どれも美味しそうに撮れています。
昼間の撮影(オートフォーカス)
メインレンズでオートフォーカス、色味をチェックします。
AQUOS sense10は明るめで自然体、arrows Alphaは補正が強めですが被写体がクッキリ印象的で最も良い写真が撮れています。
マクロ撮影
3つのスマホはそれぞれマクロ撮影に対応しています。
AQUOS sense10とarrows Alphaが超広角マクロ、Pixel 9aがメインレンズのフォーカスです。
最も被写体に近づいて撮影できたのはAQUOS sense10で、肉眼でも見えない部分までフォーカスできました。
AQUOS sense10ではx1のときにオートマクロが有効になり、x0.5でも接写できます。マクロ撮影機能はオマケ扱いになりがちですが、AQUOS sense10では満足の行く写真が撮影できます。
夜間撮影
AQUOSの夜景補正はPixel 9a同様に明るめでした。夜間でも明るい撮影ができます。
次に差が出やすい超広角での夜景撮影を見ていきます。
Pixel 9aは補正がよく機能しており、撮影している筆者の影もくっきりと映ります。AQUOS sense10は不自然な明るさはなく、被写体をフォーカスする撮影ができていますが、メインレンズで撮影した時よりかなり薄暗く、超広角の夜景撮影は苦手としていることが伺えます。
次に夜間の光の補正を見ておきます。(AQUOS sense10)
ナイトモードをオンにすると、光が幾何学的な模様で強く反射して不自然な絵になります。オフの場合は光源が全く処理されず不気味です。
Pixel 9aでは明かりが抑え込まれており、より自然に撮影できています。
文字も形が分かる程度に補正されているものの、不自然な霧がかっています。暗所で光をうまく処理するのが難しいようです。
ショーケースモード
AQUOS sense9からの変更があった部分では、ショーケースモードが追加されて、窓ガラスなどへの反射を低減して撮影できるとしています。
試してみましたが、夜間だったためか5回に1回ぐらいしか補正されませんでした。きちんと補正されればそれなりに反射が消えます。
AQUOS sense10 ここが駄目だよカメラ
写真を撮った後、しばらく補正処理のための読み込み時間が発生して、画面操作しても応答しない間が5秒前後発生します。
少しイライラさせられます。
写真の縦横比率や高画素モードに切り替えするときに、シャッター画面にて変更できるボタンがないため一々カメラの設定画面を開く必要があり、上記の待ち時間と相まってもっさり感を感じます。
またx1撮影の際にはオートマクロが暴発して、メインレンズと超広角が頻繁に切り替わってまともに写真が撮れない事態がよく起きます。オートマクロは利用しないときはオフ推奨です。
レビュー総評
AQUOS sense10は率直に言えば値段の割に性能が低い…というのがスマホ玄人な評価だと思いますが、microSDカード対応の機種では十分高性能に位置づけていて、AQUOS R10まで購入するまでもなくそれなりの値段でそれなりに快適なミドルレンジ帯のsense10でも満足できます。
今回はPixel 9aなど性能に特化しているモデルと比較したため見劣りする部分もありましたが、Xperia 10 VIIやOPPO Reno13 Aなど未だSnapdragon 6 Gen 1系統のチップを採用するミドルに対しては大きなアドバンテージがあります。
充電がそこそこ速く、バッテリー持ちがよくてその上ダイレクト給電まで備えているので、バッテリーに関しては100点でした。
OSアップデート期間の長期化だけでなく、ダイレクト給電やmicroSDカードスロットなどユーザーが本当の意味で長く利用できるように配慮されているスマホは、高い評価を受けるべきだと思います。
一方で今回比較したarrows Alphaも、AQUOS senseシリーズの特徴であるmicroSDカードやダイレクト給電を備え、さらには90W急速充電にも対応、性能はsnese10とR10の中間ぐらいで実売価格はsense10に近い、というAQUOSスマホに挑戦している機種です。
定番ブランドとしての安定感ならAQUOS sense10で、コスパを追求するならarrows Alpha、性能とカメラの2つを抑えているPixel 9aも十分良い選択肢です。
良いところ
・高級感あるアルミ一体ボディ
・バッテリー持ちが良い
・ダイレクト給電で快適
・microSDカードも使える
・充電速度が速め
・マクロ撮影で接近できる
・長めのOSアップデート
残念な部分
・同価格帯より性能低め
・暗所の撮影が苦手
・オートマクロ暴発問題
・カメラ操作がもっさり













































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