Galaxy Tabはなぜ高額なのか?その理由を考える

ガジェットコラム

円安の影響があるにせよ、ミドルレンジですら10万超えが当たり前になり消費者を驚かせるSamsung Galaxy Tab。

最上位機種であれば30万近くにもなる。

安価で高性能なタブレット「Xiaomi Padと比較されるのをよく目にするが、その比較は本当に正しいのか。

Galaxy Tabはなぜ高額なのか?その理由を考える

値段の割にはスペックがいまいち

新モデルの「Galaxy Tab S10 FE」シリーズは、「Xiaomi Pad 7」と比較すると性能は下で値段は上という明確な結果が出てしまっている。

 

製品 Galaxy Tab S10 FE Xiaomi Pad 7
価格 82800円 54980円/64980円
SoC Exynos 1580 Snapdragon 7+ Gen 3
RAM 8GB 8GB
ストレージ UFS3.1 128GB

USF3.1 128GB

UFS4.0 256GB

MicroSD 最大2TB 使用不可
画面サイズ 10.9型 11.2型
解像度 2304×1440 3200×2136
リフレッシュレート 90Hz 144Hz
アスペクト比 16:10 3:2
厚さ 6.0mm 6.18mm
スピーカー個数 2 4
USB 2.0 3.2 Gen 1
ペン 付属 別売り14980円
防水 IP68 なし
サポート期間 2032年 2028年3月

 

ミドルレンジであるFEは上位機種との差別化のために厳しいスペック絞りを受けている。性能だけで言えばマイクロSDを好む人はギャラクシーを選ぶかもしれないぐらいになる。

 

誰が買えば満足するのか

サムスンが重視していることも見えてくる。

  • サポート期間の長さ
  • 防水
  • ペン

この3本柱がGalaxy Tabの付加価値と言える。

またサムスンエコシステムも無視できない。Galaxy Tabは日本においては2022年から本格的な取り扱いが開始されたので後発でありタブレットとしてのブランドはまだ完全に定着していない。

しかし世界的なシェアではApple iPadに次ぐ地位を確保している。

 

https://aty800.com/tablet/.assets/Tablet-Shipments-MarketShare-2024_3Q_640.jpg

引用

世界のタブレット出荷台数 | 2024年3Qは20.4%増の3,960万台、ホリデーシーズンに備えた活動が活発化 – 「最高のタブレット」を求めて!

 

主に欧米諸国やインドなどで人気がある。サムスンのブランド力が大きい国ではGalaxy Tabも好まれている。

Galaxy のスマホを使っている人にとってはSamsungエコシステムを享受できるGalaxy Tabこそが最適なタブレットと言える。

 

防水という唯一無二の利点

最近でこそMicrosoft Surfaceなど有機ELタブレットも増えてきたが、元々はGalaxy Tab以外に殆どなかったのも高額な理由の一つ。

最近では防水対応という一面で強い個性を獲得した。大手タブレットで他に防水を確立しているものはまだない。

 

https://images.samsung.com/is/image/samsung/p6pim/jp/feature/165977751/jp-feature-go-outdoors--stay-protected-545656895

 

それでいて一般的なタブレットよりもスリムでスタイリッシュなので、防水タブレットがほしい人にはまさに理想的なデバイスである。

 

Sペンという真の付加価値

高額揃いのGalaxy Tab SシリーズにはSペンというスタイラスペンが付属する。

これこそが値段が高い最大の理由で、一般的なタブレットはペン別売り1万円~2万円程度のオプションが標準で付属するのだから当然高い。

そしてこのSペンは「Wacom EMR」という電磁誘導方式を採用しており、簡単に言えばバッテリーいらずでスラスラ描けて、本格的な「お絵かきタブ」に採用されている規格である。

 

https://images.samsung.com/is/image/samsung/p6pim/jp/feature/165977734/jp-feature-power-up-with-fast-performance-545656859?$FB_TYPE_A_JPG$

 

他のタブレットペンと比べ物にならないほど高性能なので、Galaxy Tabは高いのも納得がいく気がする。

2025年3月にaiwaからGalaxy Tabの対抗馬とも言えるEMR搭載タブレットが発売された。

 

製品 Galaxy Tab S10 FE aiwa tab AE10
価格 82800円 68000円
SoC Exynos 1580 MediaTek Helio G99
RAM 8GB 6GB
ストレージ UFS3.1 128GB

64GB

MicroSD 最大2TB 使用不可
画面サイズ 10.9型 11.2型
解像度 2304×1440 1920×1200
ペン 付属 EMRペン付属

 

こうしてみるとGalaxy Tabは普通のタブレットとしても十分強力で、その上EMR搭載な割に安価である。S9 FEであれば5万円台でも買えるので破格である。

その他、2025年3月に発売された中国企業の「XPPen Magic Note Pad」もデジタルメモを用途としたEMRペン付きのタブレットもある。

Androidタブレットとしては「SoCがMediaTek Helio G99」「6GB/128GB」「ディスプレイは1920×1200」と、値段を考慮すれば厳しい評価にならざるを得ない。

 

Galaxy タブレットの代替は現状なし?

ペンを使ってノートを描く用途や防水性などの目的においてGalaxy Tabの代替がない。

日本のタブレット市場で絶大なシェアを誇るApple iPadも、現状どの機種もGalaxy Tabの代用品にはなり得ない。EMR対応ペンや防水といった超えられない厚い壁がそこにあると感じる。

サムスンがミドルレンジタブレットにすら強気の値付けをするのもやむなしである。

他の大手がこれらのタブレットを発売して一石投じれば変わるかもしれない。

ただGalaxy同士でデバイスを連携する、いわゆる「Samsungエコシステム」を享受したいだけなら高額に感じるのもやむを得ない。

プレミアムな付加価値には十分理解を示しつつも、手頃な価格帯の製品やセールを望みたい。

 

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