2023年頃から6万円台で購入できるノートPCのプロセッサーはAMD Ryzen 5000Uシリーズ、およびそのリネームチップのAMD Ryzen 7030Uシリーズでした。
Zen3+で安価なモデルが登場
Zen3アーキテクチャで2021年のチップセットなので古さを感じていますが、Ryzen 5 7530UでもPassMark CPUでは15000点を超えており性能的には十分です。
そんな状況が一変しそうです。2025年の中期になって6万円台で購入できるAMD Ryzen 5 7535U搭載のノートPCが登場しました。
それが「Lenovo IdeaPad Slim 3 Gen 10 AMD」です。
現在はRyzen 5 7535U/16GB/512GBの構成で69,850円にて販売されています。メモリは8GBオンボード+8GB SODIMMの組み合わせなので24GBまで増設可能です。アルミの天板を採用しており廉価モデルとしてはそこそこです。
他にも価格.com限定の「HP Probook 465 G11」はRyzen 5 7535U/32GB/256GB/アルミボディで16インチという構成で86,570円から販売されています。

このように廉価PCの最低水準がZen3+に変わりつつあります。
Zen3+は何が変わった
Zen3とZen3+、プロセッサーの名前で言えばRyzen 5 7530UとRyzen 5 7535Uの違いです。
2つのプロセッサーは0.5世代差程度なのでCPUは同じです。しかし内蔵GPUの性能や規格が飛躍的に向上していたり、メモリがDDR5に対応、ストレージがPCIe 4.0に対応するなど大きな進捗が見られます。発売当時はiGPU性のが1.5倍程度向上したことから大きな話題を呼び、ブレイクスルーなチップでした。
また消費電力のベースも15Wから28Wに引き上げされており性能が向上しています。消費電力のベースが引き上がったからといって、バッテリー持ちが極端に悪くなったわけではありません。ユーザーが高性能なモードから電力効率重視まで、パフォーマンスの制御をより自由に行えるようになっています。
動き出すPC市場
3年近くの間、安価なモデルはRyzen 5000シリーズやRyzen 7030シリーズで溢れていましたが、ようやくその状況が変わりそうです。それだけ今までのZen3プロセッサーが性能・コスパ面で優秀だったとも言えますが、そろそろ新品のPCに搭載されるCPUとしてはお役御免となりそうです。
一方でインテル搭載の安価なモデルはまだ13世代の時代が続きそうです。
コメント