デバイス検証用道具として購入したUSBテスター「KOWSI KWS-X1」の書きかけのレビュー記事で、「USBケーブルのEMarker読み取りに対応していれば完璧でした」とか書いていましたが、最近になって実際に対応したらしいです。
このUSBテスターは、実はPCからUSBケーブル経由でファームウェアの書き換えが出来て、購入時のファームウェアバージョンはv1.01ですが、v1.04へ手動更新した場合にEMarker読み取りが利用可能となります。
というわけでファームウェア更新の導入の説明のあと、EMarker読み取りをちょっとだけ試してみます。
免責事項
メーカーが公式に行っているわけではないようです。海外でファームウェア更新用ファイルが出回っているだけらしいです。そのファームウェアの更新用ファイルを利用します。
そのため何があっても自己責任でお願いします。
ファームウェア更新のやり方
まず必要なファイルのダウンロードです。当サイトでまとめておきましたので、別途ダウンロードするために探す必要はありませんが、ソース元などは示しておきます。
ソース元
こちらの海外のYoutubeチャンネルの動画で、概要欄にてダウンロード先のURLが提示されています。リンク先はロシア語圏で、このUSBテスター「KOWSI KWS-X1」について語るコミュニティです。そこにファームウェアのファイルを共有している方がおられました。
これがソース元のファイル共有サイトになります▶海外サイトの共有フォルダ
ここからのダウンロード方法がややこしくて、うっかり間違えるとウイルス扱いのファイルがダウンロードされWindows Defenderが起動したりと大変でした。なので私が必要なファイルだけを配布することにします。↓
ダウンロードリンク
以下が当サイトで用意したダウンロードファイルです。
▼kowsi_kws-x1_firmware.zipというファイル名の380KiBの圧縮ファイルです。
こちらをクリックしてKWS-X1のファームウェア更新ファイルをダウンロード
中身を簡単に説明しておきます。
kowsi_kws-x1_firmware.zip 380KiB | |
---|---|
kowsi_OTA工具.exe | 更新の実行ファイル(中国語) |
KWS-X1 OTA ENG.exe | 上記のバージョン違い、英語表記 |
KWS-X1_V101.X1C | v1.01のファームウェア更新データ |
KWSX1_V102.X1C | v1.02のファームウェア更新データ |
KWSX1_V103.X1C | v1.03のファームウェア更新データ |
KWSX1_V104.X1C | v1.04のファームウェア更新データ |
実行ファイルはどちらでもOK
「kowsi_OTA工具.exe(Kアイコン)」「KWS-X1 OTA ENG.exe(ケーブルアイコン)」は両方ともファームウェア更新の実行ファイルで、言語以外にも仕様が異なっていますが、どちらでもOKです。
Kアイコンの方は、ファームウェア更新ファイルを選択するボタンが押せる状態になっていますが、ケーブルアイコンの方は最初暗転しています。ブートローダーを開いたKWS-X1を接続すればケーブルアイコンの方でも選択できるようになるので、どっちでも良いです。
英語表記されているケーブルアイコンのほうがわかりやすいかもしれません。(セレクトボタンはどちらも中国語ですが)
以下はケーブルアイコンのexeで解説します。
KWS-X1 更新手順
以下が手順です。
- 最初に”KWS-X1 OTA ENG.exe”を起動しておきます(実行時にWindowsから警告が出ます)
- PCにUSB-Cケーブルを繋ぎます。
- KWS-X1のブートローダーモードを起動します。
KWS-X1のブートローダー起動方法ですが、電源オフの状態より
でBootloader v1.1が起動します。
以下続きです
- “KWS-X1 OTA ENG.exe”のウィンドウで、左の中国語ボタンが選択できるようになる。(更新用ファイルを選択するボタン)
- それを押して更新したいバージョンのファームウェア更新ファイルをフォルダから選択する。(ここではv1.04用の”KWSX1_V104.X1C”)
- 右の中国語ボタン(送信ボタン)を押して、ファームウェアの更新が始まります。
最初試したとき、更新に失敗して肝を冷やしましたが、直後にやり直したところ無事完了しました。
またv1.01→v1.04まで一気に更新しても問題ありませんでした。
▼成功するとv1.04に更新され、MENUに3.E-markerが追加されます。
EMarker読み取りの検証
色々使ってみましたが、EMarkerのVendorIDもきちんと判別できました。その他にもEMarkerの有無やケーブルの基本的なスペックが確認できます。
検証方法
電源アダプタに繋いだ被検対象のUSBケーブルを、KWS-X1に差し込んで、KWS-X1の電源をオンにします。あとはMENUからE-markerを選び、OKボタンを押せば判定結果が表示されます。
このときUSBを差し込む裏表があって、反対に差し込むとエラーメッセージが表示されます。
▼そのまま差し込み直せばOKです。
▼もしケーブルにEMarkerがなければこのような表示になります。
ちなみにKWS-X1を充電アダプターに差し込んで測定すると、通常はEMarkerなし判定となりますが、なぜか情報を読み取って表示してしまうことがあります。この状態のままケーブルを差し込んでも、先ほど読み取られた情報が表示されるため正確な測定ができません。
読み取ってしまう際は毎度この表示となります。このInJoinicなどの表示データは、Kowsi KWS-X1に内蔵されたEMarkerのデータではないかと思います。
なので、正しくは「充電アダプター」→「ケーブル」→「KWS-X1」と接続して測定します。
表示の見方
この表示では、一番下がEMarkerのVendorIDです。VendorIDの企業名はここでチェック可能です。0x0000の場合は測定不能です。
またUSBバージョン、長さ、アンペアとボルトの対応などが見れます。一目瞭然ですが。
ちなみのこのケーブルはCIOのCIO-CCPD100W-1です。EMarker内蔵、USB3.2 Gen 2、100W対応としている公称値が正しいことが証明されました。VendorID の 0x2D2Cは、Tankya Developing co.となっていました。
終わり
念願のEMarker読み取りにも対応したので、もはや言う事がなくなったUSBテスターです。これ一個でケーブルもアダプターも検証できるので、断然おすすめできます。
当サイトの検証でもちょくちょく活躍してもらう予定です。
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