Anker Japanから販売されている充電器「Anker 317 Charger 100W」のレビューです。
レビューでは主に充電プロトコルの仕様、PPSの出力範囲、実際の使い勝手を簡単に見ていきます。
ぜひお付き合いください。
製品の基本情報
製品を開封チェックします。
箱、説明書、ケーブル、充電器が同梱されています。
充電器の仕様です。
充電器の仕様はメーカー公式から引用しています。
Anker 317 Charger(100W)
サイズ:約 70 × 60 × 34 mm ※プラグ部を除く
重さ:約 216 g
入力:100-240V ~ 2.2A 50-60Hz
出力:5.0V⎓3.0A / 9.0V⎓3.0A / 12.0V⎓3.0A / 15.0V⎓3.0A / 20.0V⎓5A (MAX100W)
備考:USB-PD、PPS対応
平均変換効率:82.1%ケーブル USB-C & USB-C
長さ:1.5m
出力:最大100W
備考:eMarker内蔵
デザインをチェック
見た目ですぐ分かる通り、充電器のポートはUSB-Cが1つだけです。
本体素材はマットな黒仕上げですが、差し込み口部分だけプラスチック感がある光沢素材なので、指紋がベタベタと付いてちょっとマイナス。
充電器は重厚感があり100W対応ということを考慮しても、やや大型で取り回ししづらい印象です。
ケーブルをくくるためのマジックテープは、簡単に着脱できるように工夫されています。さすがはAnkerです。
重量は実際とズレが…
実際に充電器の重量を測定してみたところ226.6gとなりました。メーカー公称値の216gよりも10gも重たいです。
この理由には思い当たる部分があって…型番がAmazon商品ページのものと微妙に異なっています。
Amazonには「B2672」と表記されていますが、実際に送られてきた製品に刻印された型番は「A2672」でした。
Anker公式販売サイトでもB2672ですが、そこで公開されている製品マニュアルではA2672です。
公式サイトには「※製品の仕様は予告なく変更されることがありますので、予めご了承ください。」と書かれていたので仕方ないのかもしれません。
寸法は公称値と同じぐらいでした。
検証
Anker 317 Charger(100W)の仕様
USBテスター「KOWSI KWS-X1」を使って検証します。
充電プロトコルは次のような結果となりました。
PD 20V/5A 100W 5V/9V/12V/15V/20V PPS 105W 4.5-21V/5A QC2.0 5V 9V 12V 20V QC3.0 19.88V
PPSはしっかり4.5-21.0V/5A出力にも対応していて、最大で105Wとなります。
メーカー公式の仕様にはPPSの詳細が記載されていなかったため、実際に検証するまでは謎だったので確かめられて良かったです。
たとえ100W充電器であっても、PPSは21V/3Aまでで最大63W止まりとなる製品も少なくありません。
ケーブルの仕様
ケーブルの長さは1.5mですが、重量は49.7gとそこそこ重たいです。
同じくUSBテスターでケーブルを測定してみました。
- USB 2.0
- 20V 5A
- eMarkerのVendor IDは不明
eMarkerの内蔵は確認できましたが、ベンダー情報は不明でした。公式でeMarker内蔵を謳っているため、こちら側の測定機器の問題かなと思います。
標準的な100W充電ケーブルですが1.5mというサイズが絶妙で、長すぎず短すぎずでちょうど良い感じです。
実際に充電
motorola edge 50s pro を充電してみました。105WのPPSにも対応しているビックリな神ジューデンスマホなので、充電器の限界を見るのに適役です。
私の主観になって申し訳ないですが、充電中はほんのり温かいマグカップぐらいの表面温度でした。充電中は数分ぐらい90W超えのときもありましたが、発熱はマシだと思います。
充電中にコイル鳴きの異音もありませんでした。
充電中はPPSにて最大96W(19.5V / 5A)程度まで確認できました。
このときの電圧リップルはVPP:600mV前後です。
86W(19.5V / 4.5A)でVPP:530mV、40~70W程度のときは400前後でした。
最適な用途
PPS対応スマホに
広範囲のPPSに対応するので一部スマホの急速充電もカバーできます。
Galaxyの超急速充電2.0(9V/5A 10V/4.5A)や OPPOのPPS 55W(11V/5A)、PPS 45W(11V/4.1A)などは3A~5Aの範囲のPPSが求められます。
▼5Aの出力が求められるPPSに対応したスマホの例
- Galaxy S24 Ultra など(45W)
- Galaxy Tab S9/S10+/S10 FEなど(45W)
- OPPO Reno11 A(55W)
- OPPO Reno13 A(45W)
- OPPO A3 5G(45W)
- OPPO Find X8(55W)
- motorola edge 50s pro / edge 60 pro など(105W)
最新のGalaxyスマホでは15V3Aが追加され、条件緩和されているらしいので必ずしも必要ではありません。
パソコンにも最適
利用の仕方によっては、ポートが1つしかないことはデメリットではありません。
というのもUSB-PDの仕様では複数ポートを利用すると、そのたびに電力の再配分が行われて瞬断するため、スマホと一緒に充電したりする行為はパソコンにあまりよろしくありません。
なのでポートが一つしかないという欠点も、パソコン用の電源アダプターとして活用すれば問題ないです。
100W以上の充電を求められるゲーミングPCなどは厳しいですが、それ以外ならば100Wで大抵のUSB-PD対応PCをカバーできます。
ケーブルと充電器を併せると280g程度になりますが、一般的なノートパソコンの純正アダプターよりかは軽くてコンパクトだと思います。またプラグの折りたたみでコンパクトに収納できます。
高コスパなセール品
Amazonの大型セール時ではよく割引対象となって、かなり売れている製品です。
私が購入したのは2025年7月のプライムデーで2,990円でしたが、その月では5000点~10000点程度売れるほどの大人気でした。
セール時はだいたいこれを同じ価格になることが多いです。
Anker謹製の100Wケーブルも付属して3000円でお釣りが来る、これが売れている最大の理由だと思います。
100Wはオーバースペック気味ですが、ケーブル付属も考慮すれば場合によっては65Wの充電器を買うよりも安上がりだったりします。
終わり
このAnker 317 を実際に確かめてみた感想として、改めてコスパ高い製品だと思います。セールに遭遇したら一個ぐらい買っておいて損はないです。
サイズ、重さ、仕様、あらゆる項目が荒削りですが、安めの価格設定と信頼のAnker製という点でオススメできる充電器です。
PPSで急速充電がしたい、ノートパソコン用の代替充電器が欲しい、といったニーズはこれで満たせます。











































コメント
Anker 317(100w)はallthingsoneplaceやさいちょう2ndなどのYoutubeチャンネルでも紹介されていましたが、テスターのPPSの電圧が11,16Vとなっていました(2年ほど前の動画)。しかし、もばさいさんの記事を拝見する限り4.5~21Vに変更になったようですね。
参考になりました。
また、allthingsoneplaceのチャンネルでは80W以上の出力時では電圧リップルが1VPPを超えていたのですが、本記事中のmotorola edge 50s proを充電中に、もばさいさんがお持ちの「KOWSI KWS-X1」テスターでは何VPPほどになるのか興味があります。
お時間ありましたら教えていただけますと幸いです。
コメントありがとうございます。
PPS 11-16Vのものがあるとは知りませんでした、目からウロコです。
電圧リップルの方を検証しましたが、Android 16に更新したためか、調子が悪いのか、高々75Wぐらいまでしか出ないんですよね。
allthingsoneplaceさんの動画を拝見しましたが、だいたい同じ450mV程度でした。
なので80W以上でも同じではないかと思います。
すぐにご返信いただきありがとうございます。
PPSに関しては3.3V-11Vと3.3V-16Vの2パターン用意されていたものが、4.5V-21Vに統一されたということだと思います。
リップルに関しては、allthingsoneplaceさんの動画のほかのPD充電器では高くても200mV前後のものが多く、Anker 317だけ1000mVと高く出ていたので個体差かとも思ったのですが、製品の特性の可能性の方が高そうですね。
測定していただきありがとうございました。
大変参考になりました。
コメントありがとうございます。
再びmotorola edge 50s proで測定したところ、PPS 96W程度で安定して充電しているのを確認できました。追記で電圧リップルも書き加えて置きました。
よろしくお願いします。