【2025】Samsung Galaxyでバッテリー状態を詳しく見る『adb shell dumpsys battery』コマンド

おすすめの機能

バッテリーの充電回数や最大容量を詳しく調べます。

2025年現在の記事です。Androidバージョン14、One UI 6.1.1までのデバイスが対象です。随時記事を更新します。

Galaxyのバッテリー健康状態は設定>端末情報>バッテリー情報で確認できます。この方法では大雑把にしかわかりません。80%以上はすべて同じように「内蔵電池の充電能力は良好です」となります。

 

もっと詳しく、WindowsにおけるBattery reportのようにバッテリーサイクル(今まで充電した回数)やバッテリー最大容量を見る方法を紹介します。

 

以下はADBを使える環境が必要です。ADBを実行する環境については以下の記事に詳しく載せています。

 

USBケーブルで有線接続してUSBデバッグする方法が一番簡単ですが、充電しながら検証することもあるかと思うので、電力供給周りを阻害しないワイヤレスデバッグを推奨します。

 

 

バッテリーレポートを見る

ADBデバッグ環境でコマンドプロンプトからコマンドで

adb shell dumpsys battery

と打てばコマンドプロンプト上でバッテリーレポートが出力されます。

 

adb shell dumpsys battery>>バッテリーレポート.txt

でテキストファイルへ結果を書き込みできます。バッテリーレポート.txtはカレントディレクトリへ作成されます。

 

バッテリーレポートの見方

重要そうな箇所・わかっている箇所だけ説明します。

まずは現在の充電状態の項目です。

AC powered

 

そのままの意味では直接給電のことですが、ここはPPS接続して超急速充電(Super Fast Charging)しているときTrueになります。

Galaxy以外のPPS対応のデバイスでも確認しています。PPS以外でもTrueになっていたりもするのでよくわからないというのが正直なところです。

 

USB Powered

上記以外の充電中のとき。

 

Wireless powered

ワイヤレス充電中かどうか。

 

Charge counter

データ作成時のバッテリー残量におけるバッテリー容量。

この値を1000で割った数値がデータ作成時に残っているバッテリー容量となります。3815500なら3815mAhです。

バッテリー残量100%まで充電したときのバッテリー容量は、データ作成時のバッテリー残量が85%だったなら

3815×100÷85=4488mAh

となって、新品時の容量が5000mAhの機種ならバッテリー容量の最大値は

4488÷5000=89%

まで劣化していることになります。

 

level:85

データ作成時のバッテリー残量。この場合85%のときにデータを取っています。

 

status:

充電中なら2、放電中なら3、充電停止中なら4。充電停止中とはバッテリー保護が働いているときです。

 

temperature:214

現在のバッテリー温度です。この場合は21.4℃ということです。

 

current now:

現在流れている電流。プラスなら充電中、マイナスなら放電中です。単位はmAです。

 

Adaptive Fast Charging Setting:
Super Fast Charging Settings:

急速充電を許可している場合はTrueになるようです。

 

一番下の方へ飛びます。ここからは端末側が記憶している記録です。

mSavedBatteryMaxTemp:
mSavedBatteryMaxCurrent:

上が端末が記録した最大バッテリー温度で、下が充電時に流れた最大電流です。

 

mSavedBatteryUsage:

今まで使用したバッテリー総量で、単位はパーセント。値が21908なら今までバッテリーを21908%消費したことになり、バッテリー残量0%から100%までのフル充電を219回行ったことになるのでバッテリーサイクルは219となります。

 

海外のフォーラムでは「値の最初の3桁がバッテリーサイクル」と説明されていたりしますが、値が3桁や4桁のとき辻褄が合わなくなります。

 

ここは随時反映されるわけでもなく、一定の消費ごとに値が増えていきます。

One UI 7(Android 15)で追加された項目

バッテリー保護に関する項目

mProtectBatteryMode: 1
mProtectionThreshold: 80
mMaximumProtectionThreshold: 85
mLtcHighThreshold: 95
mLtcHighSocDuration:
mLtcReleaseThreshold: 75

One UI 7で新たに可能となったバッテリー保護を機能させる値に関する項目と思われます。

バッテリー保護がオンならmProtectBatteryMode:が1に、オフなら0に。
ユーザーが設定したバッテリー保護プロパティはmMaximumProtectionThreshold:に反映されています。

その他の95や80といった値はバッテリーオプションの「標準」「最適化」での設定値の可能性が高いです。

充電の最適化に関する事項は次の場所で確認できます。

[Battery Adaptive Protect Mode]

 

端末の変更履歴

[EventLogBuffer]で充電に繋いだ・外した、バッテリー保護の値を変えた履歴などが表示されます。

05-03 09:43:19.760  android.intent.action.ACTION_POWER_DISCONNECTED
05-03 10:05:45.291  android.intent.action.ACTION_POWER_CONNECTED
05-03 10:09:20.347  80 => 95

android.intent.actionを参照にしているようです。

他に[BattActionChangedLogBuffer]の項目で充電情報に関する変遷が保存されています。

 

注意事項

必ずしも正確なデータが取れるわけではありません。バッテリー計測アプリの結果と食い違ってたりします。あくまでも一つの目安程度です。

また一般論として、バッテリー最大容量をより正確に測るために充放電を何度か行ったほうが良いです。新品で使い始めた直後はうまく計測できないことがあります。

 

その他端末

Android端末全般このコマンドからバッテリー状況などを出力できるようですがGalaxyほど詳細なデータは取れません。ほとんどSamsungによるカスタムだと思われます。

 

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