2025年12月13日、記事内容を更新しました。
Galaxyのスマホで、バッテリーの充電回数や現在の最大容量を詳しく調べる方法を記します。
バッテリーの健康状態は設定アプリで確認できますが、大雑把にしかわかりません。
上記のように、80%以上はすべて同じように「内蔵電池の充電能力は良好です」となります。
Google Pixelなど機種によってはバッテリー健康パーセンテージや、バッテリーを使用した回数(サイクルカウント)、製造年月、初めて端末を利用した日が表示されますが、残念ながらGalaxyでは設定アプリではそのような表示してくれる機能はありません。
実はGalaxyでもこれらのデータは内部情報として記録されており、確認する方法があるので、今日はそれを紹介します。

環境
以下はADBを使える環境が必要です。
シャッター音を消す導入をしたことがある人は、同じ要領で入力コマンドを変えるだけなので簡単にできます。
以下の記事でADB環境の導入方法について書いています。
基本的にPCが必要ですので、ご準備ください
バッテリーレポートを見る
ADBデバッグ環境でコマンドプロンプトから次を入力します。
adb shell dumpsys battery
(テキストファイルに出力するなら次のようなコマンドを実行します。バッテリーレポート.txtはPlatform-toolsに作成されます)
adb shell dumpsys battery>>バッテリーレポート.txt
▼大体こんな感じのずらーっとした文字列が表示されます。これがバッテリーレポートです。
バッテリーレポートの見方
バッテリーサイクル
バッテリーサイクルは次の項目で確認できます。
mSavedBatteryUsage:XXXXX
ここに記録されている数値は今まで使用したバッテリーパーセンテージで、100で割った値がバッテリーサイクルです。
値が21908なら今までバッテリーを21908%消費したことになり、バッテリー残量0%から100%までのフル充電を219回行ったことになるのでバッテリーサイクルは219となります。
ここは随時反映されるわけでもなく、一定の消費ごとに値が増えていきます。
バッテリー健康状態
次の項目でバッテリー健康状態が確認できます。
mSavedBatteryAsoc:[XX]
この値が最大バッテリー容量のパーセンテージを表してします。(バッテリー絶対充電状態Asoc)
95なら新品時の最大バッテリー容量の95%まで劣化しています。
ONE UI 6.1以降のデバイスでは、次の項目が追加されています。
mSavedBatteyBsoh:xx
Bsoh(Battery state of health)はバッテリー健康状態として、より一般的に利用される数値です。
端末初使用日(ONE UI 7以降)
初めてデバイスを使用した日と、製造日は次で確認できます。
mSavedBatteryBeginningDate:YYYYMMDD
バッテリー使用日を記録するmSavedBatteryBeginningDate:は実質的に端末が使用され始めたときを記録しています。
中古デバイスを購入したとき確認すると面白いかもしれません。
デバイス製造年月
デバイス製造年月は次の項目で確認できます。
LLB CAL:YYYYMMDD
これを見ることで新品であっても型落ちの場合は製造日を見てデバイスが自然劣化していないかを確かめることができます。(見たところで何にもなりませんが)


その他の項目説明
現在の電池残量
バッテリーレポート作成時のバッテリー残量を確認できます。
Charge counter:XXXXXXX level:XX
Charge counterを1000で割った数値がデータ作成時に残っているバッテリー容量となります。3815500なら3815mAhです。
levelがバッテリーレポート作成時スマホに表示されていたバッテリー残量です。(充電85%なら85と表示されます。)
充電状態の確認
AC powered USB powered Wireless powered
AC poweredはPPS対応の充電器に接続されていて、超急速充電の状態のときTrueになります。
Galaxy以外のPPS対応のデバイスでも確認しています。PPS以外でもTrueになっていたりもするのでよくわからないというのが正直なところです。
上記以外の充電中のときはUSB PoweredがTrueに、ワイヤレス充電中はWireless poweredがTrueとなります。
status:x
充電中なら2、放電中なら3、充電停止中なら4。充電停止中とはバッテリー保護が働いているときです。この4のときは直接給電(バイパス充電)しているとされています。
temperature:214
現在のバッテリー温度(摂氏)です。この場合は21.4℃ということです。
current now:
現在流れている電流でプラスなら充電中、マイナスなら放電中となります。単位はmAです。
Adaptive Fast Charging Setting: Super Fast Charging Settings:
急速充電を許可している場合はTrueになるようです。
端末が記録しているデータ
一番下の方へ飛びます。ここからはmSavedで始まる端末側が記憶している記録です。
mSavedBatteryMaxTemp: mSavedBatteryMaxCurrent:
上が端末が記録した最大バッテリー温度で、下が充電時に流れた最大電流です
バッテリー保護に関する項目(ONE UI 7以降)
ONE UI 7以降では、バッテリーの保護に関する設定項目が閲覧できます。
mProtectBatteryMode: 1 mProtectionThreshold: 80 mMaximumProtectionThreshold: 85 mLtcHighThreshold: 95 mLtcHighSocDuration: mLtcReleaseThreshold: 75
バッテリー保護がオンならmProtectBatteryMode:が1に、オフなら0に。ユーザーが設定したバッテリー保護プロパティはmMaximumProtectionThreshold:に反映されています。
その他の95や80といった値はバッテリーオプションの「標準」「最適化」での設定値の可能性が高いです。
充電の最適化に関する事項は次の場所で確認できます。
[Battery Adaptive Protect Mode]
端末の変更履歴
[EventLogBuffer]で充電に繋いだ・外した、バッテリー保護の値を変えた履歴などが表示されます。
05-03 09:43:19.760 android.intent.action.ACTION_POWER_DISCONNECTED 05-03 10:05:45.291 android.intent.action.ACTION_POWER_CONNECTED 05-03 10:09:20.347 80 => 95
android.intent.actionを参照にしているようです。
他に[BattActionChangedLogBuffer]の項目で充電情報に関する変遷が保存されています。
Galaxyの裏技集






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