motorola edge 50s pro は今最も勢いのあるスマホといっても過言ではありません。2025年4月に値下げされ、ソフトバンクへの乗り換えで一括1,472円で購入できます。
そんな中、7月に新モデル「motorola edge 60 pro」が登場しました。
1年前のモデルだけど安いedge 50s proと最新のedge 60 pro はどっちが良いの?ということで、今回はこの2機種を実機で徹底比較します。
主に性能・バッテリーについての検証です。
スペック概要
メーカーなどが公表しているデータでの比較です。
motorola edge 50s pro | motorola edge 60 pro | |
---|---|---|
発売日 | 2024/07 | 2025/07 |
SoC | Snapdragon 7 Gen 3 | Dimensity 8350 Extreme |
CPU | 1x Cortex-A715@2.63GHz 3x Cortex-A715@2.40GHz 4x Cortex-A510@1.80GHz |
1x Cortex-A715@3.35GHz 3x Cortex-A715@3.2GHz 4x Cortex-A510@2.2GHz |
メモリ構成 | 8GB/256GB | 12GB/256GB |
メモリ | LPDDR4X-2133MHz | LPDDR5X-4266MHz |
ストレージ | UFS 2.2 | UFS 4.0 |
ディスプレイ | 6.64インチ/2712×1220 最大144Hz |
6.7インチ/2712×1220 最大120Hz |
明るさ | ピーク輝度2000nit | ピーク輝度4500nit |
画面保護 | Corning Gorilla Glass 5 | Corning Gorilla Glass 7i |
重さ | 186g | 184g |
背面素材 | 合皮 | 布地 |
充電速度 | 125W TurboPower | 125W TurboPower |
ワイヤレス充電 | 15W | 15W |
バッテリー | 4500mAh | 5000mAh |
カメラ | 50MP+13MP+10MP メイン+超広角+3倍望遠 |
50MP+50MP+10MP メイン+超広角+3倍望遠 |
動画撮影 | 4K@30fps | 4K@30fps |
USB | USB 3.1@5Gbps | USB 2.0@480Mbps |
AI | – | かこって検索 画像生成 |
おサイフ | あり | あり |
通信 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6E |
SIM | nanoSIM + eSIM | nanoSIM + eSIM |
付属品 | 125W充電器+ケーブル – |
125W充電器+ケーブル 保護ケース |
OSサポート | 不明 | 不明 |
SIMフリー版motorola edge 50 proのメモリは12GBですが、ソフトバンク版であるedge 50s proは8GBとなっています。
motorola edge 60s pro ではSIMフリー版と、メモリやストレージの値に違いはありません。
価格で比較
motorola edge 50s proは前述の通りソフトバンクへのMNPでタダ同然でゲットできるため、価格に関してはmotorola edge 50s pro の圧勝です。
またMNPせずとも端末のみで安く白ロムが購入できます。一部の家電量販店では端末のみ23,472円で販売してくれるみたいです。そうでなくとも7月現在、楽天市場などでは未使用品の白ロムが2万円台まで値下がりしています。
motorola edge 50s pro の相場をチェックする
今現在では圧倒的にedge 50sが価格面では安いですが、motorola edge 60 pro も悪くないです。IIJmioへのMNPで39,800円となっている他、IIJmio会員の一部のユーザに向けて8/31まで機種変更54,800円で購入可能なクーポンも発行されています。
ソフトバンク版 motorola edge 60s pro はMNP+2年返却プランなら総額1,200円で済む上に、最大20000円分が貰えるPayPayガチャのキャンペーンもやっています。
性能で比較
AnTuTu
定番のベンチマークAnTuTu v10.5での比較です。
edge 50s pro | edge 60 pro | |
---|---|---|
総合 | 795502 | 1401287 |
CPU | 247556 | 277756 |
GPU | 250139 | 521921 |
MEM | 137615 | 344174 |
UX | 160282 | 257436 |
温度 | 33℃→37℃ | 31℃→43.8℃ |
edge 60 pro のほうが圧倒的にスコアが上で、100万超えのラインに乗っています。ですが発熱も多めです。
続いて間髪いれずに実行した2回目のスコアです。
edge 50s pro | edge 60 pro | |
---|---|---|
総合 | 777124 | 824089 |
CPU | 235328 | 149362 |
GPU | 250656 | 214919 |
MEM | 131375 | 249314 |
UX | 159765 | 210494 |
温度 | 37℃→39℃ | 43.9℃→41.9℃ |
edge 60 pro は発熱によりスロットリングが働いて大幅にスコアがダウンしていますが、edge 50s pro は維持しています。特に重要なCPUとGPUスコアにおいては逆転されています。
ブラウザ応答速度
edge 50s pro と edge 60 pro でのブラウザ応答速度(Chrome)を見てみました。
旧モデルのedge 50s pro のほうがわずかに速かったです。(左:50s 右:60)
edge 60 pro は標準状態ではブラウザアプリのパフォーマンスが制御されていますが、ゲーム(標準アプリ)からChromeをゲームアプリにしてパフォーマンスを「ターボ」に設定することで改善します。(左:50s 右:60)
これらの体感を数値化できるブラウザベンチマークでのCPUスコア差を乗せておきます。(Google Octane 2.0 Plus)
edge 50s pro | edge 60 pro (ターボ時) |
|
---|---|---|
シングル | 44251 – |
39930 (49727) |
マルチ | 269464 – |
323500 (326832) |
edge 60 proのデフォルトのパフォーマンス設定では、特に重要なシングルスコアがedge 50s pro よりも低いですが、ターボにすることで改善されます。
AnTuTuスコアのCPUの項目を見てもわかる通り、CPU性能差は小さめなので日常的な性能差は体感するのが難しそうです。
ストレージ速度
edge 50s pro ではスペックの低いスマホ向けのストレージ規格であるUFS 2.2で、edge 60 pro はハイエンドスマホに採用されているUFS 4.0 です。
AnTuTu Storage Test v10.5で速度差を比較します。
edge 50s pro | edge 60 pro | |
---|---|---|
ストレージ規格 | UFS 2.2 | UFS 4.0 |
シーケンシャル リード | 1017.3MB/s | 3999.3MB/s |
シーケンシャル ライト | 943.3MB/s | 3291.3MB/s |
ランダムアクセス リード | 496.0MB/s | 1656.0MB/s |
ランダムアクセス ライト | 400.0MB/s | 1176.0MB/s |
ストレージ速度は3倍以上の差があります。性能の違いが顕著に出る項目です。
有線転送速度を検証
USB規格では、edge 50s pro が高速データ転送ができるUSB3.1で、edge 60 pro が低速なUSB2.0とチグハグです。
理論上10倍の速度差がありますが、実際にどちらが速くデータ転送できるかを検証します。Windows経由で十分高速なSSD(PCIe Gen4)から3時間の動画ファイル(約7GB)を転送してかかった時間です。
機種 | motorola edge 50s pro | motorola edge 60 pro |
---|---|---|
USB | USB3.1@5Gbps | USB2.0@480Mbps |
データ転送時間 | 57秒 | 4分37秒 |
motorola edge 50s pro が約5倍速く、データ転送の影響は「USBポートの速度>>>内蔵ストレージの速さ」という検証結果が得られました。
edge 50s pro は143MB/s(約1Gbps)程度で余裕を持って転送できていましたが、edge 60 pro は27MB/s(240Mbps)でUSBの規格がボトルネックとなっています。
ですがedge 50s pro も USB接続が不安定で何度も切断されやり直しするハメになり、充電周りが不安定な印象を受けました。
アプリダウンロード速度を検証
次にアプリダウンロードの速度に違いを検証します。ベンチマーク実行に用いたAnTuTu 3Dをインストールする速度を測定しました。接続するルーターは同じです。
AnTuTu 3Dのサイズは943.2MB/sです。
edge 50s pro が8分39秒、edge 60 pro が3分15秒という結果になりました。ここはストレージの書き込み速度がそのまま影響しています。アプリの更新など日常使いに直結するストレージ速度においてはedge 60 pro のほうがストレスなく使えるでしょう。
ディスプレイ輝度を測定
当サイトで2機種の画面輝度を実際に測定しました。
ピーク輝度の公称値はedge 60 pro が4500nit、edge 50s pro が2000nitとなっていますが、実際の日常使いでの輝度は公表されていません。
計測するのは手動100%における輝度、明るさの自動調整による屋外の太陽光を想定したHBM輝度、HDRコンテンツ再生時の輝度、またピーク輝度です。
最大輝度 nit(cd/m²) | ||
---|---|---|
motorola edge 50s pro | motorola edge 60 pro | |
手動モード | 449 nit | 458 nit |
自動モード | 1120 nit | 1363 nit |
HDR輝度 | 1833 nit | 1994 nit |
ピーク輝度 | 1831 nit | 4370 nit |
設定アプリのカラープロファイルはビビッド(デフォルト)にして、通常輝度は全白輝度を測定しています。HDR輝度はYoutube「The HDR Channel」のReal 4K HDR Test Pattern: Brightness stress test (Chromecast Ultra)をテストに使用しています。
通常マックス輝度は2機種とも同じでやや暗めの450nit前後です。
HBM輝度ではedge 60 pro のほうがより明るく視認性が抜群ですが、発熱も大きいので真夏は1分程度で1000nit未満に落ちます。
▼屋外での様子(左:50s 右:60)
公称値の通りedge 60 proのピーク輝度は大幅に向上していて、実際に屋外でのHDR動画の再生で4370nitを記録しました。ですがあくまでもピーク輝度であり、手動モードにおけるHDRコンテンツ表示ではedge 50s proとほぼ変わりません。
バッテリーで比較
バッテリー持ちは?
バッテリー容量はedge 50s pro が4500mAh、edge 60 pro が5000mAhとなっています。見た感じからしてedge 60 pro の方が有利です。
動画を同時に再生してバッテリーが100%から90%になるまでの時間を計測しました。なお画面の明るさは全白輝度200nitに統一しています。
計測方法 | edge 50s pro | edge 60 pro |
---|---|---|
ライブ配信(縦) | 132分 | 174分 |
オフライン(横) | 137分 | 181分 |
結果はedge 60 pro が有利で、バッテリー容量差以上のアドバンテージです。
ですが現状edge 60 pro は一部アプリでは可変リフレッシュレートで60Hzに落ちずバッテリーを浪費することもあるので注意です。
充電スピード
急速充電では2つとも125WのTurbo Powerに対応します。
バッテリー容量の違いがあるため充電速度を一概に比較できませんが、参考値として。125Wの付属充電器、ケーブルを使って20%→100%までの充電を行います。
項目 | edge 50s pro | edge 60 pro |
---|---|---|
充電時間 | 17分28秒 | 24分15秒 |
平均ワット数 | 55W | 43W |
バッテリー温度の最大 | 45℃ | 43℃ |
バッテリー容量差以上にedge 50s pro は充電速度が速くて超高速です。
一方でバッテリー温度はedge 50s pro が45度、edge 60 pro が43度で止まり推移しました。どちらも発熱が凄いですが、edge 60 pro のほうが僅かに安心です。
その他
外観
外観やサイズ感はどちらもほぼ同じですが、motorola edge 60 pro は新たにAIキーが追加されています。今のところ使い道がほとんどありませんが。
またedge 60 proのほうがフレームがスタイリッシュです。
画面サイズは若干edge 50s pro のほうが大きく、保護フィルムの共有などはできません。
どちらともエッジディスプレイですが、edge 60 pro には専用の純正ケースが付属しており、これがあえて側面を保護しないデザインでエッジディスプレイにおける保護フィルムの干渉問題を解決しています。
このようなケースはedge60 pro 用、edge 50s pro用どちらも通販では中々見つかりません。普通のTPUケースを嵌め込んでフィルムを貼ると、四隅からフィルムが浮いてきます。
よりストレスなく扱えるのはedge 60 pro です。
背面素材
edge 50s pro は車の座席シートなどに利用されるアルカンターラのような合皮素材ですが、edge 60 pro はナイロンっぽいファブリック素材で、表面がザラザラしています。
どちらが良いかは好みによりますが、アルカンターラっぽいedge 50s proのほうがリッチな雰囲気です。
AI機能
edge 50s pro や edge 50 pro はかこって検索など主要なAI機能が非対応ですが、edge 60 pro は「かこって検索」「テキストから画像生成AI」などに対応しています。
キャリア仕様
ソフトウェア上の違いはほぼありませんが、edge 50s pro はSoftBankスマホなためSIMフリー版のmotorola edge 60 proと若干異なる部分があります。例えばSIMを抜いて再起動した状態であれば、edge 60 pro はカメラのシャッター音をオフにできます。
OSアップデートの期限はどちらも明言されていませんが、より新しくSIMフリー版のedge 60 pro が有利なはずです。
まとめ
当サイト比較のまとめです。
機種 | motorola edge 50s pro | motorola edge 60 pro |
---|---|---|
性能比較 | Snapdragon 7 Gen 3 | Dimensity 8350 Extreme |
AnTuTu 1回目 | 795502 | 1401287 |
AnTuTu 2回目 | 777124 | 824089 |
ストレージ速度 | UFS 2.2/USB3.1 | UFS 4.0/USB2.0 |
読み込み速度 | 1017.3MB/s | 3999.3MB/s |
書き込み速度 | 943.3MB/s | 3291.3MB/s |
ランダム読み込み | 496.0MB/s | 1656.0MB/s |
ランダム書き込み | 400.0MB/s | 1176.0MB/s |
USB転送速度 | 約140MB/s | 約30MB/s |
画面の明るさ | 最大2000nit | 最大4500nit |
手動マックス輝度 | 449 nit | 458 nit |
屋外輝度 | 1120 nit | 1363 nit |
HDR輝度 | 1833 nit | 1994 nit |
ピーク輝度 | 1831 nit | 4370 nit |
バッテリー | 4500mAh | 5000mAh |
充電速度 20%→100% |
17分28秒 平均55W |
24分15秒 平均43W |
動画再生 100%→90% |
132分 | 174分 |
2機種とも良いスマホでした。
全体的にedge 60 proのほうがよく、単純にメモリやストレージ、SoCが大幅に強化されているため優れていますが、一方でedge 50s pro は今だけの特別価格と言っても過言ではない、圧倒的な投げ売り価格で購入できる大きな利点があります。
今あえて購入するとすれば絶賛相場下落中のedge 50s pro かもしれません。
motorola edge 50s pro の相場をチェックする
edge 60 pro も安く購入できるとは言え、来年の今頃に50s pro のような投げ売りが行われる可能性もあります。まだ日本語に対応していないAI機能があったりと、今から早まる理由は特にありません。
それぞれのレビュー記事を個別にチェック
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