一部のGalaxy スマートフォン/タブレットは最大45Wの急速充電「超急速充電2.0」(Super Fast Charge 2.0)に対応します。
一応汎用規格の「USB-PD3.0 PPS」を利用しているのですが、普通のUSB-PD充電器ではこれを実現できません。
知らない人が多いと思うのでここで解説しておきます。
Galaxyデバイスが対応する急速充電の種類
Galaxyデバイスが対応する急速充電には3パターン存在します。
・一般的なUSB-PD対応充電器でUSB タイプC-Cケーブルで充電すれば対応します。
・25W以上のUSB-PD3.0 PPS対応が必要です。
・充電器を購入する際は「USB-PD、PPS対応」と書かれた商品を選べばOKです。
・一般的な45W以上のUSB-PD3.0 PPSでは駄目です。
これらの状態は充電開始時に表示される通知を確認することで見分けられます。また充電エフェクトの色や効果音が違います。上の表はそれぞれに対応しているカラーで表記しました。
One UI 6.1まではグルっとサークルが現れる派手な演出でしたが、One UI 7からは充電バーが光るだけの地味な感じになりました。
One UI 7でもホーム画面ではちょっとかっこいいです。
「急速充電」「超急速充電」は設定プロファイルで利用するかどうかの設定が可能です。
「超急速充電2.0」は今のところ超急速充電の項目に含まれています。
超急速充電2.0に必要なもの
次の3点が必ず必要です。
- 45W以上で5Aの出力ができるUSB-PD3.0 PPS対応の充電器
- 5A出力に対応したUSB Type-Cケーブル
- 超急速充電2.0に対応したGalaxyデバイス
三拍子揃って初めて最大45Wの超急速充電2.0が可能となります。
特に充電器選びが肝心です。
超急速充電2.0が可能な充電器は
一般的に「PPS対応」と表記されている充電器の殆どは3A出力が多いです。
65W充電器を使用しているのに最大45Wの超急速充電2.0にならないという現象が起こります。
この対応の可否は充電器の商品スペックシートや充電器本体に書かれた仕様で見分けることができますが、通販サイトの商品ページには詳しく書かれていないものも多いです。
通常のUSB-PDの出力表記は「45W:15V⎓3A」や「5V/9V/12V/15V⎓3A」などとなっています。
それに加えてPPSに対応している充電器には「3.3V-16V⎓3A」のように電圧(V)が範囲で表記されている箇所があり、これがPPSの出力範囲です。
親切な充電器は”PPS”と書かれていたりします。
「Google 30W USB-C 電源アダプター」の例
このPPS出力範囲で電流(A)が5Aと表記されている45W以上の充電アダプターが必要です。
私が所有している中で確認したものを紹介します。
CIO LilNob 65W GaN Power Adapter(CIO-G65W2C1A)
販売元のCIOもGalaxyの超急速充電2.0に使用できることをアピールしている製品です。
タイプCが2つ、タイプAが一つあるので同時に3つのデバイスが充電できます。
電源プラグは折りたたみ式で、軽くて持ち運びしやすい充電器です。
PPSの出力範囲は「3.3V-11V⎓5A」で最大55Wです。
45Wで急速充電したい人はこれをGalaxy専用にしたほうが良いです。
UGREEN Nexode 100W 2ポート(CD254)
タイプCが2ポートあって最大100Wのパワフルなアダプターです。ノートパソコンとの同時充電も可能な優れモノです。PPSの出力範囲は「3.3V-21V⎓5A」と広いです。
この製品も2つのポートを同時利用すると超急速充電2.0になりません。Galaxyで45W充電する際は単体で使用するようにしましょう。
ちなみによく似ているUGREEN Nexode 100W 4ポート(CD226)はPPSの出力が「3.3V-21V⎓3A」なので超急速充電2.0に対応しません。4ポートあるほうが高スペックに見えますが実際にはこちらの商品のほうが優秀です。しかし”CD226″の方が大々的にセールされたりするので間違って買わないようにしましょう。
これ以外にも
難しいことがよくわからない人はサムスン純正品を買うか「Galaxy Ultra」「Galaxy Tab」対応を掲げる急速充電器を買えば良いと思います。

中には間違った情報が掲載されている商品もあります。出力範囲から自分で探せればより良い製品に巡り会うことができます。
ケーブルも肝心
超急速充電2.0には5A出力ができるUSB-Cケーブルが必須です。超急速充電2.0対応の充電器を使っているのにならない場合は、USB充電ケーブルが対応していない可能性が高いです。充電器だけでなくケーブルもきちんとしたものを使わないとだめです。
基本的にUSB-PD 100W(20V/5A)充電対応などを謳っているUSB-Cケーブルを購入すれば間違いありません。
世の中の殆どのスマホやタブレットに付属しているUSB充電ケーブルは3Aまでしか対応してません。
それなりの高いケーブルを単体で購入すれば5A対応になります。100均などに売っている安いケーブルも対応してないです。
ただしケーブルが5Aというのは定説で、一部のアダプターではそれ未満でも実現できるようです。
対応端末
基本的には以下の端末です。
- Galaxy Ultra シリーズ
- Galaxy Tab Sシリーズ
端末側で直接確認することもできます。
設定アプリで端末情報>ステータス情報にある「定格電圧」を見ることでもわかります。
ここが「DC 10V; 4.5A」や「DC 9V; 5A」なら対応です。
最大25Wの超急速充電止まりの機種は「DC 9V; 2.77A」などと記載されています。アンペアが3A以下なら非対応だと思って良いです。
最新デバイスでは
Anker65Wと3Aの組み合わせでGalaxy S25 Ultraが超急速充電2.0が行われたという報告が多数あります。(海外情報)
最新デバイスでは超急速充電2.0の条件が緩和されているみたいです。S25U以降ならば一般的なPPS対応の45W~65Wと3Aでも対応するのかもしれません。
ただ既存のデバイスはOne UI 7へアップデート後も上で紹介した充電器で3AのPPSは実現できなかったのでハードウェアが変更されたのだと思います。
緊急時に役立つ
超急速充電および超急速充電2.0は電池残量が少ない場合は超高速で充電され、80%程度に近づくとバッテリーをいたわるために緩やかな速度に移行します。
朝急ぎのときに電池残量がなかったり、スキマ時間でささっと充電したい場合など多々あるので超急速充電2.0の環境を整えておくほうが懸命です。
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