MediaTekは新たなチップセット「MediaTek Dimensity 9400e」を発表しました。
位置づけとしては「MediaTek Dimensity 9400」に次ぐSoCであり、ハイエンドラインナップの中における廉価モデル用チップとなっています。性能が高くて比較的安い高コスパスマホ・タブレット向けに採用されそうです。
廉価モデルに付く”e”という末尾は今のトレンドでしょうか。昨年にはサムスンがExynos 2400eを発表しています。
チップセットの概要
構成は次のようになります。
チップセットの概要 |
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SoC | Dimensity 9400e |
CPUの構成 | 1x Cortex-X4@3.4GHz 3x Cortex-X4@2.85GHz 4x Cortex-A720@2.0Ghz |
GPU | Immortalis-G720 MC12 |
NPU | MediaTek NPU 790 |
Dimensity 9400と比較すると次のようになります。
比較 |
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SoC | Dimensity 9400e | Dimensity 9400 |
CPUの構成 | 1x Cortex-X4@3.4GHz 3x Cortex-X4@2.85GHz 4x Cortex-A720@2.0Ghz |
1x Cortex-X925@3.63GHz 3x Cortex-X4 4x Cortex-A720 |
GPU | Immortalis-G720 MC12 | Immortalis-G925 MC12 |
NPU | MediaTek NPU 790 | MediaTek NPU 890 |
Dimensity 8000シリーズとは全くの別
Dimensity 8000シリーズと比較すると別物です。Dimensity 8400の場合、CPUは8個のCortex-A725で構成され、GPUはMali-G720 MC7です。
Dimensity 8000シリーズはCPUに処理能力の高いプライムコア「Cortex-X」を有さず、「Cortex-A725」などの効率コアで構成されるミドルモデルです。
それに対してDimensity 9400eは「Cortex-X4」を4つ持つハイエンドとなっています。
Dimensity 9300+のリネームか
Dimensity 9400eは去年に発売された「Xiaomi 14T Pro」や「Galaxy Tab S10+」「Galaxy Tab S10 Ultra」に採用されていた「MediaTek Dimensity 9300+」と同じCPU構成・GPU・NPUです。「Dimensity 9400e」と「Dimensity 9300+」はほぼ同一なのでリネームチップと見て良いでしょう。
AnTuTu 10スコアは大体200万弱になると予測されます。
9400eと9300+の違い
ただ9400eと9300+でCPUのキャッシュ量が異なります。
- Dimensity 9400e
8MB L3キャッシュ+10MB SLCキャッシュ - Dimensity 9300+
18MB L3キャッシュ+SLCキャッシュ
と表記されています。Dimensity 9300+はL3キャッシュが多いため、より高速だと予測されます。9300+は昨年の最上位チップセットなので、そこからある程度のオミットはされているようです。
またメモリ周波数はDimensity 9300+が最大9600Mbpsに対してDimensity 9400eは8533Mbpsです。
9300+からネットワークは刷新
一方でネットワーク関連はDimensity 9400eの方が9300+より新しいようです。Wi-Fi速度は7.3Gbpsに、Bluetooth 6.0に刷新されています。Dimensity 9300+は6.5GbpsでBluetooth 5.4でした。より高速なモデムに改良されているようです。
終わり
QualcommでいうとSnapdragon 7+やSnapdragon 8sに相当するプレミアムな廉価SoCです。MediaTekからもこういったハイエンドにより近いチップセットがいよいよ登場しました。高性能で価格が抑えられた高コスパなスマホやタブレットが期待できます。今年中にDimensity 9400eを搭載したスマホやタブレットが出回るはずです。楽しみに待ちましょう。
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