ThinkPad Eシリーズに新たなモデルが追加されました。
EシリーズにもCopilot+PC対応モデルが
今回追加されたモデルはThinkPad E14 Gen 7 ILL(Intel Lunar Lake)で、リアルタイム翻訳や画像生成のAI機能を盛り込んだCoplilo+PCに対応する、Intel Core Ultra 200Vシリーズ(Lunar Lake)プロセッサーを搭載するプレミアムなモデルとなっています。
基本的にすでに発売中のThinkPad E14 Gen 7 IAL(Intel Arrow Lake)およびThinkPad E14 Gen 7 IRL(Intel Rapter Lake)と同じ仕様ですが、プロセッサーの仕様にあわせた一部の仕様が変更されています。
ThinkPad E14 Gen 7 Intelは3モデル販売されることになりましたが、型番上のアルファベット3文字で区別されており、それぞれ採用されるCPUのインテル式コードネームに由来しています。今回新しく出たILLはIntel Lunar Lakeを意味しているものを推測されます。
採用されるCPU
Intel Core Ultra 200Vシリーズ(Lunar Lake)はいずれもTDP17Wの省エネチップで、CPUは4つのパフォーマンスコアと4つの省エネコアの計8コアのハイブリッド構成です。
インテルCPUの特徴だったハイパースレッディング機能が廃止されましたが、それと引き換えに最高峰のバッテリー持ちを得ました。
プロセッサー | メモリ | CPU | GPU | NPU |
---|---|---|---|---|
Ultra 5 226V | LPDDR5X-8533 | 4+4コア 8スレッド |
Intel Arc 130V |
40TOPS |
最大16GB | 4.5GHz | 7コア@1.85GHz | ||
Ultra 5 228V | LPDDR5X-8533 | 4+4コア 8スレッド |
Intel Arc 130V |
40TOPS |
最大32GB | 4.5GHz | 7コア@1.85GHz | ||
Ultra 7 258V | LPDDR5X-8533 | 4+4コア 8スレッド |
Intel Arc 140V |
47TOPS |
最大32GB | 4.7GHz | 8コア@1.95GHz |
注意すべきはメモリ構成です。プロセッサーの規格上オンボードメモリのみとなり、下位モデルのCore Ultra 5 226Vは16GBが上限で、上位モデルの228Vや258Vでも最大32GBまでです。
ThiinkPad E14 Gen 7 IALに採用されるCore Ultra 7 255H(Arrow Lake)などと比較すると、CPUのコア数が大幅に減っており性能が低下していますが、NPUの処理能力は40TOPS以上となってCopilot+PCに対応します。
Arrow Lake や Raptor Lake搭載モデルに関してはこちらの記事にまとめています。▶Lenovoからインテル200搭載「ThinkPad E14 Gen7」が発売。同じ名前で2種類のモデルが!?
スペック
以下はすべて公表された仕様書に基づきます。
基本情報 | |||
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機種名 | ThinkPad E14 Gen 7 (14型Intel) | ||
型番 | ILL (Lunar Lake) |
IAL (Arrow Lake) |
IRL (Raptor Lake) |
メーカー | Lenovo | ||
発売日 | 2025/08 | 2025/04 | |
ソフト | |||
OS | Windows 11 Home オプションでPro可能 | ||
Office | オプションでOffice 2024可能 | ||
プロセッサー |
|||
CPU | Core Ultra 5 226V Core Ultra 5 228V Core Ultra 5 258V
|
Core Ultra 5 225U Core Ultra 5 225H Core Ultra 5 235U Core Ultra 7 255H Core Ultra 7 265U |
Core 3 100U |
メモリ | |||
メモリ | 16GB/32GB | 8GB/16GB/24GB/32GB/16GB x1/32GB x1 | |
ストレージ | 512GB/1TB | 256GB/512GB/1TB | |
ストレージ情報 | PCIe4.0 2242 空き:無し 交換のみ可能 |
PCIe4.0 2242 最大1TB PCIe4.0 2280 最大1TB(空き) 交換・増設が可能 |
|
メモリ情報 | オンボード LPDDR5X-8533 増設・交換不可 – |
SODIMM DDR5-5200MT/s 増設・交換が可能 最大64GB |
SODIMM DDR5-5600MT/s 増設・交換が可能 最大64GB |
ティスプレイ | |||
基本情報 | 14インチ/IPS液晶/非光沢 | ||
オプション1 | 1920×1200/300nit/60Hz/45%NTSC | ||
オプション2 | 1920×1200/300nit/60Hz/45%NTSC/マルチタッチ | ||
オプション3 | 2880×1800/400nit/100%sRGB/120Hz | ||
オプション4 | – | 1920×1200/300nit/60Hz 100%sRGB |
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外観 | |||
重さ | 1.32 kg~ | 1.34 kg~ | |
サイズ | 313 x 220.3 x 10.1-19.7 mm | ||
カラー | ブラック | ||
素材 | 天板:アルミ 底面:アルミ パームレスト・側面:再生プラスチック |
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ポート(奥順) | |||
右側 | ケンジントンロック 有線LAN(RJ-45) USB-A 3.2 Gen1 |
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左側 | HDMI Thunderbolt4 x2 USB-A 3.2 Gen2 |
HDMI USB-C 3.2 Gen2 x1 Thunderbolt4 x1 USB-A 3.2 Gen2 イヤホンジャック |
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機能 | |||
生体認証 | 指紋(オプション) 顔認証 |
指紋(オプション) 顔認証(オプション) |
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Webカメラ | 1080p/IR(顔認証) – – |
1080p/IR(顔認証対応) 720p 500MP |
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カメラシャッター | あり | ||
キーボード | 日本語配列 英語配列 バックライト |
日本語配列 英語配列 バックライト(オプション) |
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スピーカー | Dolby Atmos対応 | ||
ネットワーク | Wi-Fi 6E/AX 211 – – |
Wi-Fi 6/Realtek 8852BE Wi-Fi 6/インテル AX203 Wi-Fi 6E/インテル AX211 |
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電源 | |||
バッテリー | 48 Wh 3セル 64 Wh 4セル |
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駆動時間 (64Wh) |
アイドル:27.6時間 動画再生:16.9時間 |
アイドル:23.6時間 動画再生:11.6時間 |
アイドル:20.9時間 動画再生:10.5時間 |
アダプター | USB-C 65W |
*搭載するSSDは2242サイズと表記されていますが、スロット自体は2280サイズのようです。
新発売となるILLはキーボードバックライトが標準搭載されるなど、上位の仕様になっています。Thunderbolt4も2つになりました。
またメモリ・ストレージも16GB/512GBからスタートとなる一方で、空きスロットが消滅したのでストレージ2枚差しや自分でメモリ増設はできなくなりました。
驚異的なバッテリー持ち
Intel Core Ultra 200V(Lunar Lake)はCPUコアが減ったことでパフォーマンスこそ落ちますが、驚異的なバッテリー持ちを確立しています。
同条件で比較したとき、Arrow LakeやRaptor Lakeよりも5時間以上動画再生ができるなど、既存のCPUを過去にするかのような駆動時間を実現しています。
別のLunar Lake搭載の機種が Qualcomm Snapdragon や Apple MチップといったARM系のバッテリー駆動時間を大きく上回ったとする検証が数多く存在しており、バッテリー持ち重視ならインテルという時代が到来しています。
インテル「Core Ultra 200V」がバッテリー持ちの概念を覆す。苦境に立つARM WindowsとMacbook
かなり安め
執筆時点(8月3日)で最小構成は Core Ultra 5 226V/16GB/512GBで129,884円からとなっています。さらに現時点でオプションの追加に割引48%が入ります。
更に上位のプリセットである Core Ultra 7 258V/32GB/512GBは149,930円で、割引は53%に達しています。これに液晶ディスプレイのカスタムなどを施しても16万円程度です。
かなり安めで登場した Intel Core Ultra 200V(Lunar Lake)搭載PCという印象です。こちらでざっと相場を確認したところ、Core Ultra 7 258Vとメモリ32GBという基準で見れば他メーカーPCを圧倒する価格破壊をしています。
終わり
Eシリーズながらプレミアムなモデルで、非常に魅力的な選択肢となりました。
従来はパワフルなArrow Lakeでしたが、過去モデルからもわかるようにE14シリーズではパフォーマンスを最大限に引き出すのは不向きでした。Lunar LakeはまさにE14にぴったりなチップセットです。少し早まってE14を買ってしまった人は後悔…になるかもしれません。
インテルが欲しい人は多少の出費を覚悟してもLunar Lakeがオススメです。
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