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Galaxy Tab A11+ 5G 実機でベンチマーク測定したので、掲載します。
- 対象モデル:Galaxy Tab A11+ 5G(SM-X238Q)
MT8775の詳細
正体はDimensity 7300
サムスンの公式サイトや、スペック表などにはMT8775プロセッサーと書かれていますが、Galaxy Tab A11+ 5G実機から取得したハードウェア情報には、MT6878プロセッサーがベースと表示されました。
MT6878はMediaTek Dimenisty 7300 5Gに割り当てられた型番だとされ、実際に取得されたCPUやGPUの情報は一致しています。
| MT8775の詳細 | |
|---|---|
| ベース | MediaTek Dimensity 7300 5G(MT6878) TSMC 4nm |
| CPU | 4x Cortex-A78@2.5GHz 4x Corttex-A55@2.0GHz |
| GPU | Mali-G615 MC2 |
Exynos 1380より高性能
CPU性能では、より高額なGalaxy Tab S9 FEやTab S10 Liteに採用されるExynos 1380プロセッサーよりも、ほんの少し高性能な仕様です。
| 比較 | CPU | GPU |
|---|---|---|
| Exynos 1380 | 4x Cortex-A78@2.4GHz 4x Corttex-A55@2.0GHz |
Mali-G68 MP5 |
| MT8775 | 4x Cortex-A78@2.5GHz 4x Corttex-A55@2.0GHz |
Mali-G615 MC2 |
CPUはMT8775のほうがA78のクロック数が0.1GHz高いので理論上は高性能ですが、GPUはより世代が新しいMali-G615を搭載するものの、コア数が少ないので性能は大きく劣ります。
類義のSoC
MediaTek Dimensity 7300を搭載して発売されたスマホはありませんが、それに似たチップはあります。
- Xiaomi Redmi Note 14 Pro 5G(D7300-Ultra)
- Nothing CMF Phone 2 Pro(D7300 Pro)
いずれもUltraやProなどの名前を冠していますが、実態はDimensity 7300とほぼ同じです。
MT8775の詳細は不明ですが、サムスン用にカスタマイズされたプロセッサーなのかもしれません。
Galaxy Tab A11+ 5Gの基本性能
Galaxy Tab A11+ 5Gの基本性能です。
- 11インチ 1920×1200@90Hz TFT液晶
- MT8775プロセッサー
- メモリ6GB(LPDDR4X)
- ストレージ128GB(UFS 3.1)
性能的にはミドルロー(中の下)で、Galaxy Tabの位置づけでは現行モデルとしては下から2番目のエントリーモデルとなっています。
下記で掲載するベンチマークで、ご自身の用途に合うかどうかの参考になればと思います。
具体的なスペックは下記の記事でまとめています。

MT8775 Geekbench 6
CPU
Geekbench 6でのCPU測定結果は次です。
CPU構成がパフォーマンスコアが4基のオクタコアになったことで、Galaxy Tab A9+よりもマルチコア性能が大幅に向上しています。マルチタスクをしても動作に問題ない水準です。
| 比較 | Geekbench 6 CPU |
|---|---|
| Galaxy Tab A11 8.7 Helio G99 |
|
| Galaxy Tab A9+ Snapdragon 695 |
|
| Galaxy Tab S10 Lite Exynos 1380 |
|
| Galaxy Tab A11+ 5G MT8775 |
|
| Galaxy Tab S10 FE Exynos 1580 |
|
GPU
Geekbench GPUの測定結果です。
Galaxy Tab A9+(スナドラ695)などからは大きく性能が向上しましたが、上位との差はまだまだ開いています。
| 比較 | Geekbench 6 GPU Vulkan |
|---|---|
| Galaxy Tab A11 8.7 | |
| Galaxy Tab A9+ | |
| Galaxy Tab S10 Lite | |
| Galaxy Tab A11+ 5G | |
| Galaxy Tab S10 FE |
MT8775 AnTuTuベンチマーク
AnTuTu
最新バージョンのAnTuTu v11.0.6、旧バージョンのAnTuTu v10.5.2で計測です。
メインメモリ6GBなのでGPUの計測はAnTuTu 3D Liteとなります。
AITuTu
非スナップドラゴン系のSoCはうまく計測できないようで、スコアは10万点程度でした。
MT8775 UL Benchmark
ベンチマークソフトの提供(https://benchmarks.ul.com/)
MT8775 PCMark Work 3.0、battery life
PCMark Work 3.0のスコアは12209で、battery lifeの駆動時間は9時間43分でした。
丸一日利用できるかどうかといったスコアです。
battery lifeではアプリ内で推奨されている画面輝度200nitにキャリブレーションして、ミュートとオフライン状態にて実行しています。
MT8775 3DMark Wild Life
QHDでゲーム実行するWild Life Unlimited とUHDで実行する高負荷なWild life Extreme Unlimitedの結果です。
比較的動作軽めなWild Life Unlimitedでも20FPS未満となり、比較的新しめな3Dゲームの動作は困難です。
またメモリ6GBなので実行できるベンチマークはWild Lifeまでとなり、新しいSteel Nomadなどは非対応です。
3DMark Wild Life Extreme Stress Test
3DMark Wild Life Unlimitedを20回連続実行する耐久テストでは、安定しています。
ゲーム適正は低いですが、発熱はほとんどなく終始安定しています。
| スコア維持率 | 最高スコア | 最低スコア | バッテリー |
|---|---|---|---|
| 99.7% | 3273 | 3263 | 100→93% |
実行後の本体温度は30℃未満で安定していました。
MT8775 ブラウザベンチマーク
MT8775 Google Octane 2.0
ブラウザベンチマークのGoogle Octane 2.0では42136点でした。
より体感に直感するブラウザベンチマークでは、かなり性能が向上しており、スナドラ870あたりに近づきました。
| 比較 | Google Octane 性能比較 |
|---|---|
| Galaxy Tab A9+ | |
| Galaxy Tab S9 FE | |
| Galaxy Tab A11+ 5G | |
| Galaxy Tab Acticve 5 Pro | |
| Galaxy Tab S10 FE | |
| Galaxy Tab S8+ | |
| Galaxy Tab S9 | |
| Galaxy Tab S11 |
その他
ブラウザで実行できるベンチマーク測定結果です。
お手持ちのデバイスと比較してみてください。
| Google Octane 2.0 Plus | シングル:41439 マルチ :287160 |
|---|---|
| AnTuTu HTML5 Test | 54241 |
| Speedometer3.1 | 8.73±0.44 |
| JetStream2 | 128.411 |
| WebXPRT 4 | 128 |
MT8775 ダウンロード速度
Google スピードテスト
Googleのスピードテストでの簡易測定ですが、結果は次のようになりました。
2つともMediaTek系のチップですが、Tab A11+ 5Gはフラグシップモデルの約半分の速度です。
| 比較 | ダウンロード速度(Mbps) |
|---|---|
| Galaxy Tab A11+ 5G | |
| Galaxy Tab S11 |
MT8775 総評
Helio G99より超パワーアップ
同じMediaTek系のエントリー向けチップでも、安価なタブレットによく採用されているHelio G99とは比べ物にならないほどパワーアップを遂げました。
MediaTek Dimensityが採用されているだけあって、性能もミドル帯といって良い快適な指標が出ていて、一部では上位モデルのGalaxy Tab S10 LiteよりもCPUスコアが高かったりしました。
相対的な位置づけではミドルレンジでも下の方ですが、最低限のレベルに達しておりエントリーモデルの性能底上げを体感しました。
ゲーム面では古い3Dゲームなら何とか動く程度で、参考までにプレイストアにあるエミュレーターでは、Fly Castは快適、PPSSPPは等速なら快適、Dolphinは所々カクつきがあるものの動作しています。
お手頃価格
Wi-Fiモデルであれば現在は割引などにより3万円台から購入可能ですが、これより上を向くと7~8万円台のGalaxy Tab S10 FEとなります。
性能ではあと一歩まで追いついていますが、一気に値段も2倍以上になるので、Galaxy Tab A11+ 5Gはミドルレンジモデルのタブレットとしては良い落とし所ではないでしょうか。
Tab Sシリーズとの違いはレビューで詳しく説明しています。

来年1月5日までWi-Fiモデルは5%オフ、5Gモデルは10%オフにて購入できます。

























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