2022年にリリースされた Qualcomm Snapdragon 7 Gen 1 の性能・情報をまとめます。
このチップセットは2021年リリースのミドルSoC「Snapdragon 780 5G」「Snapdragon 778 5G」の後継です。Snapdragon 8 Gen 1 と共に、CPUがARM V9アーキテクチャへ移行したことに伴って、命名規則が変更されました。
搭載機種
日本で発売されたSnapdragon 7 Gen 1 搭載モデルは下記の通りです。
- 2023年
motorola razr 40(motorola)
motorola razr 40s(motorola、softbank)
Huawei MediaPad 11.5(Huawei) - 2024年
Nubia Flip 5G(ZTE)
Libero Flip 5G(ZTE、SoftBank)
Flip型の折りたたみスマホへの搭載が目立ちます。またHuaweiのHarmonyOSを搭載したタブレットでも採用されています。
仕様
▼判明している範囲です。
Qualcomm Snapdragon 7 Gen 1 Mobile Platform | |
---|---|
コードネーム | SM7450-0-AB SM7450-1-AB |
製造 | 4nm(Samsung) |
アーキテクチャ | arm v9 |
リリース | 2022/05/22 |
性能 | |
CPU | 1x Cortex-A710@2.40GHz 3x Cortex-A710@2.36GHz 4x Cortex-A510@1.80GHz |
GPU | Adreno 644@433Hz |
NPU | Qualcomm Hexagon NPU |
接続性 | |
ディスプレイ | QHD+@120Hz / FHD+@144Hz |
メモリ | 最大16GB LPDDR5X-3200MHz |
ストレージ | 最大UFS 3.1 |
USB | USB 3.1 Gen 1 |
通信 | |
モデム | Snapdragon X62 5G |
ネットワーク | Qualcomm FastConnect 6700 Wi-Fi 6E / Bluetooth 5.2 |
カメラ | |
写真 | 64MP / 20MP / 25MP |
動画 | 4K@30FPS |
ベンチマーク(AnTuTu他)
測定はLibero Flip 5G(A304ZT)で行っています。機種によって多少の前後があることをご理解ください。
AnTuTuベンチマーク
AnTuTu Ver10.5.0で計測。メモリが6GBだったため、GPUの測定はLiteバージョンとなっています。
総合ベンチマークスコアは644074点です。
- CPU:209412
- GPU:161569
- MEM:119250
- UX :153843
チップセットは36度から43度まで発熱が見られます。
なお計測機のLibero Flip 5G はストレージがUFS2.2(2 Lane)です。ストレージの速度はMEMやUXのスコアに多少の影響があります。
AITuTu
AnTuTuベンチマークのAI性能を測定するAITuTu v3.5.5を測定しました。
結果は385754点でした。
CPUベンチマーク
ブラウザベンチマークのGoogle Octane 2.0ではシングルスコア39289点を記録しました。
▼計測はmicrosoft edge 138
マルチスコアの計測も可能なGoogle Octane plus ではシングルスコア37252点、マルチスコア261452点でした。
CPUシングルスコア性能は2025年現在のミドルレンジ程度が出ています。2022年のミドルチップですが、十分今でも健闘できています。
総評
2025年現在でも、比較的安価で購入可能な折りたたみスマホの motorola razr 40 や ZTE Libero Flip 5G などに採用されているため、このチップを使用することは十分にあります。
2022年のミドルチップとしては高水準でしたが、現在で見ても性能は低すぎないラインを保っており、下手なローエンドとは雲泥の差があります。値段が下がっていれば十分お買い得です。
やや発熱が激しい傾向がありますが、ミドルチップなのでハイエンドのような熱さを感じることは少ないでしょう。
コメント