以前にQualcommが発表した6コアCPUを搭載した新しい型番のSnapdragon 8 Gen 3がいよいよ製品化しました。
LenovoがAndroidタブレットに搭載するようで、ベルリン現地時間9月5日に開催されたLenovo Innovation World 2025にてこの6コア版8Gen3を搭載したYoga Tab(TB710FU)が発表されました。
QCM8650Qの仕様
詳細な仕様です。
Snapdragon 8 Gen 3 6コア | |
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型番 | QCM8650Q |
CPU | 1x Cortex-X4@3.3GHz 4x Cortex-A720@2.95GHz 1x Cortex-A520@2.1GHz |
GPU | Adreno 750 |
NPU | 20 TOPS |
Lenovoが公表したQCM8650Qの仕様によれば、CPUは6コアでNPU性能は20TOPSとなっています。
またレノボは型番をQCM8650Qとしていますが、クアルコムが発表していたSM-8650-Q-ABまたはSM-8650-Q-AAとほぼ同じ仕様であることが伺えます。
本家と性能の比較
2024年のハイエンドスマホなどに広く採用されたSnapdragon 8 Gen 3 SM8650-ABと比較してみると大きな違いがあります。
Snapdragon 8 Gen 3の比較 | ||
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型番 | QCM8650Q | SM8650-AB |
CPU | 1x Cortex-X4@3.3GHz 4x Cortex-A720@2.95GHz 1x Cortex-A520@2.1GHz |
1x Cortex-X4@3.3GHz 3x Cortex-A720@3.15GHz 2x COrtex-A720@2.96GHz 2x Cortex-A520@2.27GHz |
GPU | Adreno 750 | Adreno 750 |
NPU | 20 TOPS | 45 TOPS |
大きな違いはCPUコア数で、高性能コア、省電力コアがそれぞれ一つずつなくなり6コアの仕様となっています。
近年のQualcommのモバイル向けSoCではオクタコアCPUを採用していたことが殆どで、ハイエンド帯になるSnapdragon 8 Gen 3でこのような仕様の型番が公表されたことは非常に驚きです。
GPUについてもQCM8650Qはグラフィック動作周波数が公表されていませんが、通常版と異なる可能性があります。
NPUでは大きく性能を落としています。
CPU性能をチェック
Geekbench BrowserにはLenovo Yoga Tab のCPU実行結果が記録されており、シングルが2189、マルチが5555でした。
比較 | Geekbench 6 CPU |
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Snapdragon 8 Gen 1 | |
Google Tensor G4 | |
Snapdragon 8 Gen 2 | |
Snapdragon 8 Gen 3 | |
Snapdragon 8s Gen 4 | |
Google Tensor G5 | |
Snapdragon 8 Elite | |
6コアですがマルチスコアは依然として高スコアなので、懸念されるほどではないでしょう。Cortex-X4を有しているため高いシングルスコアで、CPU性能ではミドルハイ以上だと言えます。
終わり
同チップを搭載したLenovo Yoga Tabは499ユーロとなっており、安価で提供されることが伺えます。
6コアのSnapdragon 8 Gen 3という如何にも奇妙な存在が登場したことに驚きを隠せません。その実力に注目が集まります。
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