7月17日、AMDからRyzen AI 5 330プロセッサーが発表されました。Krachan Pointと呼ばれる省エネ向けのZen5 CPU搭載チップセットです。
以前からリークされていた通りの仕様となりました。

仕様
AMDは「日常使いに最適な高い応答性のAI対応プロセッサー」としており、Copilot+PCに対応するAI搭載プロセッサーのRyzen AI 300シリーズにおける廉価チップセットで、序列は末っ子に位置づけられます。
ざっくり言えばCPU→4コア・GPU→2コア・NPU→50TOPSというAI性能に重きを置いた構成で、アーキテクチャは最新ですが明らかなエントリーチップセットです。
コードネーム | Krackan Point |
---|---|
CPU | TSMC 4nm |
TDP:15-28W | |
1x Zen 5 @2.0-4.5GHz 3x Zen 5c @2.0-3.4GHz |
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L2キャッシュ:4MB L3キャッシュ:8MB |
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GPU | Radeon 820M 2CU@2800MHz |
NPU | Ryzen AI@50TOPS |
Ryzen 5 は誇大な表記
すでに市場で出回っているメインストリーム向けの「Ryzen AI 5 340」とは、その仕様が大きく異なっており、同じRyzen AI 5でありながらCPU・GPUのコア数から違っていて、Ryzen AI 5 330はワンランク下のRyzen 3 の存在を思わせる構成となっています。
プロセッサー | CPU構成 | GPU | NPU |
---|---|---|---|
Ryzen AI 5 330 | 1x Zen 5 @2-4.8GHz 3x Zen5c @2-3.4GHz |
Radeon 820M | 50TOPS |
L2キャッシュ:4MB L3キャッシュ:8MB |
2CU@2800MHz | ||
Ryzen AI 5 340 | 3x Zen5 @ 2-4.8GHz 3x Zen5c @2-3.4GHz |
Radeon 840M | 50TOPS |
L2キャッシュ:6MB L3キャッシュ:16MB |
4CU@2900MHz |
かろうじてNPUが50TOPSに達しており同性能なことぐらいでしか、Ryzen AI 5 330を評価できる点がありません。
Ryzen 5なのにCPUが4コアで、GPUが2CUだったメンドシーノ「Ryzen 5 7520U」を彷彿とさせます。
終わり
Ryzen AI 5 330 は比較的低価格なAI PCで、Zen5 CPUのプロセッサーという点で期待されています。
現状Ryzen AI 300シリーズで最も安価なRyzen AI 5 340を搭載したノートPCでも10万円オーバーな製品が常態化しており、本来の6~8万円の価格帯はRyzen 8000のリネーム Ryzen 200シリーズが埋めています。
このRyzen AI 5 330の登場で、いよいよ普及価格帯にZen5 Ryzen AIが降りてくることが期待できますが、CPUコア数やGPUコア数が大幅に削減されているため、性能ダウンまで視野に入ります。
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