Ryzen 100シリーズの概要
Ryzen 100シリーズが間もなく製品化
今年10月AMDは新しいモバイル向けチップセットとしてRyzen 100シリーズを発表しました。
といってもこれはリネームCPUであり、Ryzen 100シリーズはRyzen 200シリーズより後になって発表されるという、少し奇妙な状態となっています。
もっといえば、Ryzen 200シリーズもRyzen AI 300シリーズより後になって発表されていますが、これらはAMDがRyzenモバイル向けプロセッサーの命名規則(SKU)を4桁から3桁の数値に変更したため、色々と変化が生じています。
現在これらのRyzen 100シリーズを搭載したLenovo V14 Gen 6 AMD、Lenovo V15 Gen 6 AMDが日本で発売予定となっています。
Ryzen 100の詳細
Ryzen 100シリーズはRyzen 6000シリーズ(Zen3+、Rembrandt)のリネームです。
今現在、安価なノートパソコンに採用されているRyzen 7×35や7533HSなどと実質的に同じです。
Ryzen 100シリーズは全部で3種類あります。
| CPU | TDP | コア/スレッド | GPU/実行ユニット | リネーム元 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|
| Ryzen 3 110 | 28W | 4コア | 8 | Radeon 660M | 4 | Ryzen 3 7335U |
| Ryzen 5 130 | 28W | 6コア | 12 | Radeon 660M | 6 | Ryzen 5 7535U |
| Ryzen 5 150 | 45W | 6コア | 12 | Radeon 660M | 6 | Ryzen 5 7535HS |
| Ryzen 7 160 | 28W | 8コア | 16 | Radeon 680M | 12 | Ryzen 7 7735U |
| Ryzen 7 170 | 45W | 8コア | 16 | Radeon 680M | 12 | Ryzen 7 7735HS |
クロック周波数なども含めて、Ryzen 7×35シリーズと一致していて、完全なる名前変更と見て良いでしょう。
ちなみにRyzen 200シリーズはZen4(Ryzen 8000、Hawk Point)のリネームです。

大きな特徴はGPUの強化・メモリなどの強化
Ryzen 100シリーズのアーキテクチャ世代は先程述べた通りZen3+(コードネーム:Rembrandt)ですが、名前が似ているZen3(Ryzen 5000、リネーム後の7×30)とはまた違う製品ラインナップで、Zen3+はZen3とZen4の間に発売されたプロセッサーです。
大きな特徴としては次の4点です。
- TSMC 6nm FinFET
- GPUが大幅に強化されたRadeon 600Mシリーズに刷新
- メモリがDDR5規格に対応
- ストレージがPCIe Gen 4に対応
肝心のCPUはZen3とほぼ同じですが、プロセスルールが7nmから6nmに置き換わるのでパフォーマンスが1.3倍に向上、そしてメモリやストレージが刷新されたことによる実質的なパワーアップという目に見えた恩恵があります。
GPUもZen3までのVegaシリーズから、RDNA2アーキテクチャを採用したRadeonシリーズに刷新されたことで大きく性能を伸ばしただけでなく、av1コーデックのデコード対応など時代に合わせて機能が追加されています。
エントリーモデルにZen3+が
Lenovo Vシリーズで日本デビューか
これらのRyzen 100シリーズはLenovoの新しいビジネスノート「Lenovo V14 Gen 6 AMD」「Lenovo V15 Gen 6 AMD」に搭載予定となっていて、日本国内でも発売が予定されていることを確認しました。
そのLenovo Vシリーズは、Lenovo V14 Gen 4 AMDでRyzen 7×30(Zen3)が発売され、Gen 5ではインテル(13世代)搭載のみが発売され、今回は再びAMDモデルが復活しています。
Lenovo Vシリーズは現在日本国内で販売されているレノボのWindowsノートパソコンとしては、最も安いシリーズ一つでいわゆるエントリーモデルとされています。
端的に言えば安価なグレードのノートパソコン群が、Zen3からZen3+に置き換わる予定と見られています。
とはいえLenovo V14 Gen 5(Intel13世代)やLenovo V14 Gen 4 (Ryzen 7x30U)は現在でも70,000円オーバーです。
Zen3+に刷新されたLenovo V14 Gen 6なども最低でも7万円は超えることになりそうです。
Lenovo V14 Gen 6のスペック
日本発売予定のモデルの仕様です。
実際に発売されるものと異なる場合がございます。
| 基本情報 | ||
|---|---|---|
| 機種名 | Lenovo V14 Gen 6 | Lenovo V15 Gen 6 |
| 型番 | Lenovo V14 G6 ARP | Lenovo V15 G6 ARP |
| マシン番号 | 83V3 | 83UU |
| ソフト | ||
| OS | Windows 11 Home | |
| Office | Office トライアル | |
| プロセッサー |
||
| CPU | Ryzen 3 110 Ryzen 5 150 Ryzen 7 170 |
|
| メモリ | ||
| メモリ | 8GB x1/16GB x1 | |
| ストレージ | 256GB/512GB/1TB(2242サイズ) | |
| slot | PCIe4.0 2280 最大1TB | |
| メモリ情報 | SODIMM DDR5-4800 最大32GB | |
| ディスプレイ(14インチ) | ||
| 基本情報 | 非光沢 /タッチ非対応 1920×1200@60Hz /300nit /45%NTSC |
|
| 選択肢 | TN / IPS | |
| 外観 | ||
|---|---|---|
| 重さ | 1.37kg~ | 1.6kg~ |
| サイズ | 324.2 x 215.2 x 19.9 mm | 359.2 x 235.8 x 19.9 mm |
| カラー | ビジネスブラック | |
| 素材 | PC-ABS | |
| ポート(奥順) | ||
| 右側 | ||
|
左側 括弧内はAHP |
||
| 機能 | ||
| 生体認証 | なし | |
| Webカメラ | 720p | |
| カメラシャッター | あり | |
| キーボード | 日本語配列 / バックライトなし | |
| スピーカー | 2W x2 | |
| ネットワーク | Wi-Fi 6 / Bluetooth 5.2 | |
| 電源 | ||
| バッテリー | 47Wh | |
| 駆動時間 | 動画再生 13.61時間 | 動画再生 11.65時間 |
| アダプター | 65W充電器 | |
Ryzen 100シリーズへ置き換わる
Ryzen 100シリーズを搭載したノートは、今のところLenovoの新発売予定リストになっていますが、他社も同様に追従していくと見られています。
現在エントリーモデルに採用されるRyzen 7x30Uは、もう時期DDR4メモリの生産が終わるとされているので、DDR5メモリ対応のためにRyzen 100(Zen3+)に置き換わると見られます。
またストレージもPCIe Gen 4になり、GPUも性能が大きく向上するほか、AV1コーデックのデコード対応など、時代に合わせた性能向上も見られます。
長らく市場を牽引してきたZen3がまもなく終わりを告げそうです。





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