サムスンはいつまでメモリ・ストレージ商法を続けるのだろうか…
Galaxy S25ではメモリが12GBに引き上げられ、長らく続いたS21~S24まで続いた8GBメモリに終止符を打った。すでに競合デバイスの殆どがRAM12GBを搭載しているので当然と言える。もっと言えばS23あたりで12GBにすべきだったと思う。
2020年にGalaxy S20が12GB RAMで販売されたときは驚いた。値段も102,960円(docomo)と10万円を超え、auは117,480円と12万円弱で驚いたが、今となっては安かった。あのときのサムスンは今よりずっとハイスペックな思考でスマホ番長的存在だった。
日本モデル | RAM |
---|---|
Galaxy S10 (2019) | 8GB |
Galaxy S20 (2020) | 12GB |
Galaxy S21 (2021) | 8GB |
Galaxy S22 (2022) | 8GB |
Galaxy S23 (2023) | 8GB |
Galaxy S24 (2024) | 8GB |
Galaxy S25 (2025) | 12GB |
6年間も12GBで販売
その一方でフラグシップモデルであるGalaxy S25 Ultraは依然として12GBだ。サムスンがフラグシップを12GBメモリで販売するのはこれで6年目になる。Galaxy Note 10+が12GB/256GBで販売され、S25 Ultraも12GB/256GBから。いくらなんでもアップグレードして欲しい。
一部の国ではGalaxy S20 UltraやGalaxy S22 UltraはRAM16GBで販売されていた。
Galaxy S25 Ultraも中国、韓国、台湾、香港のアジア4カ国では16GB/512GBや16GB/1TBが販売されているらしい。アジアの国として日本がハブられているのは少し悲しいが、大多数の国でも同じようにメモリ12GBしか販売されていない。
日本モデル | RAM |
---|---|
Galaxy Note 10+ (2019) | 12GB |
Galaxy S20 Ultra (2020) Galaxy Note 20 Ultra (2020) |
12GB |
Galaxy S21 Ultra (2021) | 12GB |
Galaxy S22 Ultra (2022) | 12GB |
Galaxy S23 Ultra (2023) | 12GB |
Galaxy S24 Ultra (2024) | 12GB |
Galaxy S25 Ultra (2025) | 12GB |
Ultraが12GBであることの弊害
上位モデルのメモリが引き上げされないことによる弊害として、下位モデルが差別化のためにRAMを減らされるという「メモリ商法」が発生する。長らくGalaxy S24まで8GBだったのもこれが原因だと考えられる。最上位と同じだけメモリを搭載すれば購入する人が減るため当然っちゃ当然である。
最近ではリークされた情報からGalaxy S25 FEやGalaxy Z Flip FEも8GBになるのではないかと言われている。2025年に10万円弱の高額な端末でメモリ8GBは少なすぎる、と正直に思う。


RAMを引き上げない簡単な理由
RAMを引き上げない理由は至ってシンプルで買い替えを促すためだ。サムスンのような大手はすでに市場を開拓しきっており、既存のユーザーの買い替えは重要な要素である。
機種変更を促進させることにおいて、メモリを多く積んでいた少し前とは異なるマーケティングの変化がいくつかある。
- 性能向上の鈍化
今のスマホはベンチマークが目覚ましく伸びているものの、実際に使用するならもう十分という成熟した状態にある。最新ゲームを追うゲーマーでもない限りは性能を追わなくなっている。 - バッテリー寿命の向上
今のAndroidスマホはバッテリーいたわり機能などとにかくバッテリーを劣化させない制御が多く存在する。特にGalaxyでは直接給電が実装されるなどバッテリーに気を遣う人に優しい機能が実装されている。 - 長期アップデートの常態化
EUがOSサポートに関して厳しく規定したこともあり、今のGalaxyデバイスはAシリーズであっても6年間のOSサポートを掲げている。OSサポート切れがなく常にアップデートしてくれるなら、ユーザーはあまり買い替えしない。
以上のように買い替えせずともこれでOKな状況が発生している。
メモリが少なければ
じゃあどうやって買い替えさせるのか?他ならぬメモリとストレージである。性能が良かろうがメモリやストレージに窮屈さを感じれば人は買い替えたくなる。
長期サポートを謳いながらメモリは少なく、というマーケティングの大きな矛盾はこれで説明がつく。長くサポートするけど長く使ってほしくないというのが大手メーカーとしての本音である。
同じ端末を長年利用されたら利益が伸びず、むしろ減っていく一方である。なので販売する機種はなるべくメモリやストレージを少なくして売る。だけどストレージを追加するなら高額な料金を取って1台あたりの利益を稼いで、買い替えされなくても十分な利益を確保する。
メーカーがSDカードを廃止したがる理由もこれで全て説明がつく。
中国メーカーは心配無用
Xiaomiを始めとした中国メーカーはメモリやストレージを非常に安売りする。なぜか?それはまだまだ世界シェアが少ないからである。メモリやストレージを大盤振る舞いしてシェアを拡大したとして、今のところ敵対メーカーの顧客を奪って新規ユーザーを確保し、業績を伸ばせるため心配は要らない。
また中国国内における競争の激しさも起因している。良いデバイスが評価されるという行き過ぎた競争原理が結果的に消費者に良いものをもたらしている。
S26 Ultraは16GBになるか
Galaxy S25無印でさえ12GBに引き上げられたため、Galaxy S26 Ultraでは差別化のために16GBとして置かなければならないと思う。今現在においても各社のフラグシップモデルはだいたい16GBのオプションが存在している。このような状況でまだRAMを引き上げないなら多くの失望を生むだろう。
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