Xiaomi POCO X7 Proを自腹でレビューします。
- 対象モデル:国内版 8GB/256GB Black
超コスパスマホとして話題になっている機種です。価格コムでは第8位の人気っぷりです。大手携帯キャリアが取扱っていないSIMフリー限定スマホとしては異例です。
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価格
Xiaomiが直営するXiaomi公式サイトや楽天市場などで販売されている他、IIJmioやNuroモバイル、イオンモバイルといった格安SIMで取扱いされています。
IIJmioではMNP乗り換え割で8GB/256GBが34,800円で、12GB/512GBが44,800円で提供されています。
詳細なスペック
基本情報 | |
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機種名 | POCO X7 Pro |
メーカー | Xiaomi |
発売日 | 2025/02/12 |
プロセッサー | |
SoC | MediaTek Dimensity 8400 Ultra(TSMC 4nm) |
CPU | 1x Cortex-A725@3.25GHz 3x Cortex-A725@3.0GHz 4x Cortex-A725@2.1GHz |
GPU | Mali-G720 MC7 |
NPU | MediaTek NPU 880 |
メモリ情報 | |
構成 | 8GB/256GB 12GB/512GB |
規格 | メモリ:LPDDR5X-4266MHz |
ストレージ:UFS 4.0 | |
外部ストレージ | – |
ディスプレイ | |
画面 | 6.67インチ/CrystalRes AMOLED 2712×1220/20:9/476dpi Corning Gorilla Glass 7i |
明るさ | 700-1400nit/ピーク輝度3200nit |
リフレッシュレート | 60Hz/120Hz/可変30-120Hz タッチサンプリングレート480Hz |
外観 | |
本体素材 | フレーム:プラスチック 背面:プラスチック |
サイズ | 160.75 x 75.24 x 8.29 mm |
重さ | 195 g |
カラー | ブラック イエロー グリーン |
カメラ | |
メインカメラ | 5000万画素/26mm/光学手ブレ補正 センサーサイズ:1/1.95 2倍クロップズーム/52mm |
超広角カメラ | 800万画素/15mm |
動画撮影 | 4K@24,30,60fps 1080p@30,60fps 720p@30fps |
インカメ | 2000万画素 センサーサイズ:1/4.0 動画撮影:1080p@30fps |
バッテリー | |
容量 | 6000mAh |
充電 | 90Wハイパーチャージ |
ワイヤレス | – |
通信機能 | |
ネットワーク | Wi-Fi 6 /Bluetooth 6.0 |
SIM | nanoSIM x2 eSIM非対応 |
おサイフケータイ | なし/NFCあり |
便利な機能 | |
通話録音 | なし |
カメラ無音化 | あり |
バッテリーサイクル | 表示あり |
2回タップ点灯/消灯 | あり |
デュアルアプリ | あり |
仮想メモリ | 0GB/4GB/6GB/8GB |
画面色温度の調節 | あり |
パフォーマンス切替 | 究極モード/バランスモード |
アプリ毎の音量調節 | あり |
便利なスクショ | 3本指スワイプ |
バッテリー保護 | 80%止め |
その他 | |
スピーカー | Dolby Atmos |
USB | 不明 |
防水 | IP68 |
生体認証 | 顔認証 指紋認証(画面内) |
OS | HyperOS 2/Android 15 |
アップデート保証 | 不明 |
付属品 | ACアダプタ/USB-C to Aケーブル SIMピン クリアケース/保護フィルム貼付け済 |
付属品
充電アダプター、ケーブルとケース、SIMピンが付属しています。
ケースは滑り止めが効いています。
充電アダプターの出力は次の通りです。
- 通常出力:5V⎓3A
- 高速出力:3.6V-5V⎓3A/5-20V⎓6.1-4.5A(90W Max)
端子はUSB-Aで、付属のケーブルもUSB-C to Aです。充電プラグが折りたためないので持ち運びに不便です。
保護フィルムは出荷時から本体へ貼り付け済です。
外観
本体カラーはブラックです。背面素材は光沢のあるツルツルとしたプラスチック素材で、激しく反射します。製造番号の入ったシールが貼られています。
画面比率は20:9で縦長です。横は細く6.1インチで19.5:9のスマホと同じぐらいの持ち心地でした。ベゼルが細めで安っぽさ皆無です。
高精細でとってもキレイです。HDRコンテンツにも対応しています。
フレーム(側面)は金属っぽい質感ですがひんやりとした感じがないので樹脂だと思われます。
サイドボタンの配置は右側に「音量ボタン」「電源ボタン」と普通です。SIMカードスロットは右下にあります。
重量は保護フィルム、おまけのケースを合わせて221gでした。
ベンチマーク
パフォーマンス設定は究極モードとバランスモード、節約モードなどがあります。ここでは基本的に究極モードで測定しました。また仮想メモリはデフォルトの4GBで利用しています。
AnTuTu 10
AnTuTu v10.4.9を連続で3回実行した結果です。
1回目は1629301点、2回目1606829点、3回目は1579598点となりました。CPUもGPUもスコアはほぼ落ちておらず非常に熱に強いと言えます。
MediaTek系SoCなどに採用されるMali-GPUが原因だと思われます。GPUスコアは高いですが3Dゲームは難しいと考えた方が良いです。
Storage Test(ストレージ測定)
AnTuTu Storage Test v10.4.9です。
UFS4.0を搭載しており非常に高速でした。パフォーマンス設定は「究極モード(左)」「バランスモード(右)」どちらでも誤差範囲に収まります。
- シーケンシャルリード:4066MB/s
- シーケンシャルライト:3322MB/s
- ランダムリード:1368MB/s
- ランダムライト:1464MB/s
UFS3.1ストレージよりも2~3倍速いです。AnTuTu 3DMarkのダウンロード(700MB程度)のインストールも一瞬で終わりました。アプリの更新やインストールが爆速なのでストレスフリーです。
AITuTu(AI性能測定)
AI機能を測定するAITuTuベンチマーク。獲得スコアは172083点とイマイチでした。参考までにSnapdragon 7 Gen 1でも37万点程度です。MediaTek系への最適化不足なのか、単に性能が低いのかは不明です。
CPDTベンチ(メモリ帯域)
メモリ帯域では12.03GB/sを計測しました。
Google Octane2.0(CPU測定)
ブラウザ上でCPU性能(シングルスコア)を測定します。マルチコア性能を測定できるGoogle Octane Plusも測定しました。
シングルスコアは50121点を記録しました。スナドラでは888から8gen1程度です。
AnTuTuなどのベンチマークソフトでは熱に強いスコアが出ていますが、Google Octane 2.0では発熱中はスコアが3万点台まで減少しました。(右端)
スコアの低下は通常使用による発熱でも見られます。強制的なクロックダウンが発生していると思われます。普段遣いの動作は発熱の影響で制御されます。
特徴
画面の明るさ
明るさの自動調整をオンにすれば屋外での視認性は十分良いです。初夏の晴れ日では全く問題なく見れています。この明るさであれば真夏の炎天下でも大丈夫だと思います。
リフレッシュレート
可変リフレッシュレートではYoutubeアプリなどが60Hzで固定されました。120Hzモードにすると60Hzで駆動させるアプリと120Hzのアプリを自分で選択できます。30Hzは「常時オンディスプレイ」のときに適用されます。
タッチサンプリングレートは公称値480Hzですが当サイトの計測では250Hzでした。
90W充電はクセあり
純正と一般的なUSB-C充電器でどれだけの違いがあるのかを調べてみました。USB-Cは最大100WのUSB-PDおよび3-21V/5AのPPSに対応したものを使用します。
まずは端末内の表示。
20%からの充電では付属の90W充電器でなら40分、普通の充電器でなら2時間ちょうどになりました。6000mAhということを考慮すれば90Wは驚異的な速さです。汎用規格のUSB-PD充電器では「急速充電」と表示され最大で25~27W程度の出力でした。
次に20%から30%までの充電時間を測定しました。
・付属の充電器 3:01秒
付属充電器のほうが圧倒的に早いですが、電力差ほど大きく離れていません。
画面消灯しなければ電力供給はフルになりません。
90WハイパーチャージはUSB-Aケーブルも付属品以外では無理でした。専用充電器及びケーブル以外で90Wハイパーチャージは実現できないことに注意です。
バッテリーの保護
充電80%止めができます。
この状態でケーブルに繋いでadb Shell Dumpsys BatteryでCurrent Battery Service state:
見てみると内部的にはstatus:2
の状態でした。Xiaomi独自の給電モードです。
直接給電モード?と当サイトでは呼んでいるstatus:4
に対応しませんでした。同様の状況でGalaxyなどはstatus:4
に対応します。
顔・指紋認証は爆速
顔認証も指紋認証も爆速です。
指紋認証は画面の下の方にあるためやや押しにくいです。また光学式だと思われます。指紋登録は5つまでです。
デュアルnanoSIM対応
eSIMは非対応ですが、nanoSIMカードが2枚使えます。SIMカードトレイは表裏で1枚ずつ挿すタイプなのでセットしやすいです。
AndroidスマホではeSIMのクイック転送に対応しない事が多いのでサブ端末運用する場合はデュアルnanoSIMのほうがシンプルに使いやすいです。
POCOのソフト
HyperOS 2を搭載しています。Xiaomi独自のカスタム色が強いです。便利な機能が多いのでカスタムアプリなどを使用せずとも快適でした。
ランチャー
POCO Launcherが使用されています。タスク一覧の表示形式、アプリドロワーの使用、アイコンの大きさなど細かく設定できます。
ホームランチャーのアニメーション設定の一覧です。7通り存在していました。
色温度は細かく設定可能
画面の色味は標準ソフトで調整可能です。
「高度な設定」で色域の設定をP3やsRGBに設定することもでき、さらにコントラストの調整などこれでもかと用意されています。詳しくない人には寒色や暖色などざっくりとした設定もできます。
AI対応
魅力的なAI機能に対応しています(miアカウントへのログインが必要です)
「AI消しゴム Pro」を試しました。
文字の消去すら時間がかかる上にオブジェクトの消去が上手くいかず、場合によってはタイムアウトして失敗します。まだ使いものにならないというのが正直な感想でした。
Windows にリンクでクリップボード同期も可能
Microsoft公式ソフトのWindows標準アプリ「スマートフォン連携」でクリップボードの同期やアプリのミラーリングまで行えます。一部のデバイスでしか対応しない機能です。ペアリングしたWindowsデバイスと瞬時にコピーしたURLや文字を共有できます。
Windowsのスマートフォン連携の設定で「デバイス間のコピーと貼り付け」を有効にします。
スマートフォン連携に関しては次の記事で詳しく説明しています。

カメラ
無音カメラ
標準のカメラアプリでシャッター音を消すことが可能です。
方法は2通りあって「MediaTek Engineer Mode」「端末設定から地域の変更」から選べます。
別途記事で紹介します。
カメラ撮影
カメラはぱっと見ではキレイに撮れています。メインカメラと超広角レンズ、2倍クロップズームに対応します。
ナイトモード撮影もありますが、イマイチです。メインカメラでは夜間でもそこそこ明るいものの、超広角カメラは暗いです。ナイトモードオフのときとの比較を置いておきます。
マクロ撮影は不可です。2倍クロップズームを用いればなんとかできます。
上に掲載した充電アダプターの細かい文字はこの機種で撮影しています。
総評
あらゆるスペックがミドルスマホの水準を超えており、5万円でお釣りが来るという神コスパスマホです。低価格なミドルモデルを凌駕するキビキビヌルヌルとした操作感で、4K60FPS撮影もできます。OSにも便利機能が充実していて使いやすかったです。
一方で充電は付属アダプターと付属ケーブル以外では遅く、また付属アダプターはプラグの折りたたみなどもできないので持ち運びしにくいです。充電速度に期待している場合はこの点に要注意です。汎用規格の充電でも高速だったら文句なかったです。
・ストレージが爆速
・フィルム貼り付け済・ケース付き
・ディスプレイの品質が高い
・nanoSIMカードが2枚利用できる
・シャッター音をオフにできる
・Windowsとクリップボード共有ができる
・専用充電器以外では充電が遅い
・専用充電器が持ち運びしにくい
・3D映像がまともに再生されずゲームがやや不安
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