今回は7月に発売された新スマホ motorola edge 60 pro を自腹でレビューします。
主にベンチマーク、バッテリー、充電時間の計測が中心です。ボリューミーなレビュー記事となりますが、しばしお付き合いください。
- 対象モデル:motorola edge 60 pro ダースブルー
レビューの要点
・かこって検索対応など充実のGoogle AI
・画像の生成AIが楽しめる
・eSIM、防水防塵、おサイフケータイ対応
・望遠撮影とマクロ撮影もできるトリプルカメラ
・充電が爆速。汎用規格のUSB-PDでもOK
・付属品が豊富(125W充電器、ケーブル、保護ケース)
・過充電の防止機能がある
・背面の布地素材は汚れが不安
・高負担時の発熱が激しくパフォーマンス劣化が顕著
・屋内撮影がやや厳しい
・4K60FPSの動画撮影が出来ない
製品をチェック
本製品はSIMフリー版となります。ソフトバンクからはmotorola edge 60s pro が販売されていますが、ハードウェア上の違いは特に見当たりませんでしたが、アップデート頻度などに違いが出ると思われます。
価格
発売時点での価格は次のようになっています。
容量 | SIMフリー* | ソフトバンク | IIJmio |
---|---|---|---|
12GB/256GB | 79,800円 | 88,520円 | 69,800円 39,800円(MNP) |
IIJmioが特に安いです。乗り換えで4万円を切るので、発売してすぐにこの値段ならお買い得だと思います。また各通販サイトでは基本的に10%値引きした販売が基本となっているようなので、実質7万円程度です。
ソフトバンクで販売されているmotorola edge 60s pro はMNP乗り換えと、25ヶ月後に機種を返却することで、支払総額1,200円で済むなど購入しやすいキャンペーンが目白押しです。が、いずれはmotorola edge 50s pro のような投げ売りが始まる可能性が高いため、ソフトバンクでの購入は待つというのが正解だと思います。現時点でもmotorola edge 50s pro の相場が下がり続けています。

*SIMフリー版は motorola公式ストアでの販売価格です。
詳細なスペック
▼わかっている範囲です
基本情報 | |
---|---|
機種名 | motorola edge 60 Pro |
メーカー | motorola |
型番 | XT2507-6 |
発売日 | 2025/07/04 |
プロセッサー | |
SoC | MediaTek Dimensity 8350 Extreme (TSMC 4nm) |
CPU | 1x Cortex-A715@3.35GHz 3x Cortex-A715@3.2GHz 4x Cortex-A510@2.2GHz |
GPU | Mali-G615 MC6 |
NPU | MediaTek NPU 780 |
メモリ情報 | |
構成 | 12GB/256GB |
メモリ | LPDDR5X-4266MHz |
ストレージ | UFS 4.0 |
外部ストレージ | 非対応 |
ディスプレイ | |
画面 | 6.7インチ/pOLED/エッジディスプレイ 解像度2712×1220/20:9/446dp Corning Gorilla Glass 7i |
明るさ | ピーク輝度4500nit |
リフレッシュレート | 可変120Hz タッチサンプリングレート300Hz(ゲーム中) |
外観 | |
本体素材 | フレーム:アルミ 背面素材:布地 |
サイズ | 160.69 x 73.04 x 8.24 mm |
重さ | 184 g |
カラー | シャドーグリーン / ダースブルー / カルサイトホワイト |
カメラ | |
メインカメラ | 50MP, F値1.8, センサーサイズ 1/1.56, 光学手ブレ補正 SONY-LYTIA LYT-700C |
超広角カメラ | 50MP, F値2.0, マクロ撮影 |
望遠レンズ | 10MP, F値2.0, 光学手ブレ補正, 光学3倍ズーム 最大50倍スーパーズーム |
動画撮影(メイン) | 4K@30fps, 1080p@30/60fps |
動画撮影(超広角) | 4K@30fps, 1080p@30/60fps |
動画撮影(望遠) | 4K@30fps, 1080p@30/60fps |
インカメ | 50MP, f/2.0 動画撮影:4K@30fps/1080p@30,60fps |
バッテリー | |
容量 | 5000 mAh |
充電 | 最大 125W TurboPower USB-PD 3.0 |
ワイヤレス | 最大15W Qi |
通信機能 | |
ネットワーク | Wi-Fi 6E / Bluetooth 5.4 |
SIM | nanoSIM x1/ eSIM |
バンド帯 | 5G:n1 /n3 /n5 /n28 /n41 /n66 /n77 /n78 4G:B1 /B2 /B3 /B4 /B5 /B7 /B8 /B11 /B12 /B13 /B17 /B18 /B19 /B26 /B28 /B38 /B39 /B41 /B42 /B66 3G:B1 /B2 /B4 /B5 /B8 |
おサイフケータイ | あり |
便利な機能 | |
通話録音 | なし |
カメラ無音化 | SIMカード未挿入なら可能 |
バッテリーサイクル | 表示あり* |
2回タップ点灯/消灯 | あり |
デュアルアプリ | なし |
仮想メモリ | 自動/0GB/4GB/6GB/8GB/16GB |
画面色温度の調節 | あり |
パフォーマンス切替 | なし |
アプリ毎の音量調節 | あり |
便利なスクショ | 3本指でタッチ |
バッテリー保護 | 80%止め |
その他 | |
スピーカー | ステレオ, Dolby Atmos |
USB | USB-C 2.0 |
防水・耐久 | IP68/IP69 MIL-STD-810H |
生体認証 | 顔/指紋(画面内) |
かこって検索 | 対応 |
サポート | |
OS | Android 15 |
アップデート保証 | 不明 |
付属品 | 保護ケース 125W電源アダプター,USBケーブル(MC-1251) SIMピン |
*バッテリーサイクルはadbコマンドでのみ閲覧できます。
ベンチマーク
このスマホの性能は?
MediaTek Dimensity 8350 Extreme、メモリ12GB、ストレージ256GBを搭載したミドルハイです。実用性に深く関わるメモリやストレージも質と量が伴っています。
▼ベンチマークではすべてリフレッシュレートを「自動(最大120Hz)」で測定しています。
AnTuTu 10
最初にAnTuTu総合スコアを測定します。間髪入れずに3回連続で実行しました。
▼AnTuTu v10.5.1を連続で3回実行した結果です。
- 総合 :1413408→853921→849017
- CPU:279773→149981→150291
- GPU:528916→243657→227787
- MEM:348484→249743→253951
- UX :256235→210540→216988
一回目の実行では温度が29.9度から43.9度まで上昇しており、バッテリーも9%減少しています。
二回目以降はスコアが40%ダウンしており、GPU性能に至っては54%低下しています。発熱や負担時のバッテリー持ちが弱いです。
また一回目はスコアこそ優秀ですが、総合得点の割にはCPUの性能が低めです。その分GPUや高速なメモリでのスコアが反映されて高得点となっています。
AnTuTu Storage Test(ストレージ速度)
▼AnTuTuのストレージテスト Ver10.5.1です。
- シーケンシャルリード:3995.7MB/s
- シーケンシャルライト:3381.3MB/s
- ランダムリード:1680.0MB/s
- ランダムライト:1248.0MB/s
ストレージ規格はUFS 4.0で非常に高速です。AnTuTu 3D のインストール作業など迅速でした。日常で行うアプリの更新でも恩恵があります。
AITuTu(AI性能)
AnTuTuのAI性能を測定するAITuTuベンチマークを計測。MediaTek 系のNPUはAITuTuでは上手く計測ができていないように思います。
▼AITUTUベンチマークver3.5.5で測定。
215533点でした。Snapdragon 以外は数値が低く出るため参考になりません。
CPDTベンチ(メモリの速度)
メモリ帯域を測定するために、メモリやストレージ速度を測定できるCPDTベンチを使いました。
▼RAMの速度
Memory copyの速度は12.24GB/sと高速でした。LPDDR5X-4266MHzなので優秀です。
Google Octane 2.0(CPUスコア)
ブラウザ上でCPU性能(シングルスコア)を測定できるベンチマークGoogle Octane 2.0で測定します。マルチコア性能を測定できるGoogle Octane Plusも測定しました。
▼Google Chrome 137で計測しました
シングルが40915点、マルチが315,572点です。シングルスコアに関しては、motorola edge 50s pro のSnapdragon 7 Gen 3の性能(約4.5万)よりも劣っており、スペックダウンしていました。
端末使用をして最初だけ計測結果が49000点ほどを記録しました。Dimensity 8350 の本来の性能だと思います。メーカーによるクロック調整か、OSとの相性か何らかの問題でパフォーマンスが80%程度に制御されているようです。
デザイン
本体
以下で詳しく外観を見ていきます。本体重量は183.6gでした。
背面
本体カラーはPANTONEとコラボしています。以下はダースブルーです。
▼背面素材は布地となっており、手触りが心地よいです。
汚れの付着に気をつける必要がありそうです。
▼カメラの配置は正方形に並んでいてキレイです。
ディスプレイ
▼画面比率は20:9で縦長で、エッジディスプレイなのでスリムで持ちやすいです。非常に高級感があります。
エッジディスプレイなので、ハイドロゲルフィルムがオススメです。
側面
▼側面はアルミフレームになっていますが、非常に細いです。本体が薄く感じました。
上辺にはDolby Atmosの刻印がありますが、光のあたり加減によってはほとんど見えません。
▼左側には新たに追加されたサイドボタン「AIキー」があります
SIMカードスロット
SIMカードスロットは左下にあります。1枚まで利用可能です。
▼SIMトレイは装着がしやすいタイプです
付属品
USB-C to Cケーブル(1m)、USB-C電源アダプター、SIMピン、保護ケースが付属します。
保護ケースは…
本体色に合わせたプラスチック素材のケースが付属します。左右のフレームはガードされないため、背面の布地素材を保護する意味合いが強そうです。また画面に貼った保護フィルムの湾曲部分が浮いてこない設計で、エッジディスプレイの弱点がカバーされています。
▼重さは20.9gでした。
再生素材を使用しているからか、ケースにはごみのような不純物の混合が多数見られました。
▼そういうものだと割り切れば気になりません。
50s pro と同じアダプター
▼充電器は最大125Wに対応します。型番モデルは「MC-1251」となっており、motorola edge 50s pro などと同じ種類です。
5.0V ⎓3.0A (15.0W) 9.0V ⎓3.0A (27.0W) 15.0V⎓3.0A (45.0W) 20.0V⎓6.25A(125W) 5.0-20.0V⎓6.25A(125W)
ポートはUSB-Cの1つしかなく電源プラグも折りたたみできませんが、汎用規格のUSB-PD3.0 PPSに対応するため、このスマホ以外にも幅広く使えます。
化粧箱
化粧箱はすべて紙素材を利用しており、環境に配慮されています。plastic-free packagingと記載されている通りです。
▼新品時の化粧箱には封シールがありました。
充実のAI機能
AIキーでImage Studioを起動
本体側面に物理的なAIキーが追加されるなど、AI機能に力を入れて作られたことが伺えます。
▼AIキーを押すと画像生成を行うImage Studio アプリが起動します。
今のところAIキーはこのアプリの起動以外にカスタムできません。
テキストから画像生成(Image Studio)
AIキーを押して起動するImage Studioにて画像生成ができます。クラウド利用となるため、利用にはMoto アカウントの登録が必要です。
▼使える機能
- テキストからの画像生成
- 人物写真からデジタルアバター生成
- テキストからステッカー生成
- スケッチから画像生成
- 写真からスタイルに合わせた壁紙生成
テキスト画像生成では一度に2枚ずつ生成可能です。10種類のアートスタイルから選択できて、画像の比率も指定できます。
発売して間もないためか、サポート言語は「英語」「イタリア語」「ポルトガル語」に留まっています。
日本語でも出力はできますが、Gboardの翻訳機能で英語にして入力したほうが精度が高まります。
▼実際にテキストから生成してみました
左から順に「アイスクリーム屋(アニメ風)」「1960年代の日本家庭(年代物風)」「夜の摩天楼」「ハンバーガーセット」を英語にして出力した結果です。
フリー素材を遥かに凌ぐクオリティで生成できています。画像生成がしたい人は、これだけでお釣りが来るかと思います。
かこって検索対応
motorola edge 50s pro では非対応だった、Google かこって検索にも対応しています。
▼注意事項として、かこって検索を有効にするとナビゲーションバーを非表示にできません。
対話型AIはまだ未対応?
motorolaのホームページには対話型検索エンジンのPerplexityに対応するなどとありますが、現状そのような機能は見当たりませんでした。
また moto ai についても対応が不明です。moto ai は画像やディスプレイに表示された情報を理解して、要約したり整理する機能らしいです。
▼公式サイトより
125W Turbo Power を検証!
次にバッテリーや充電速度を見ていきます。
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